今はなき講談社のメンズファッション雑誌『Checkmate(チェックメイト)』編集部のファッション班を経てフリーランス。セレクトショップのカタログやメンズ雑誌のファッションページの取材・原稿を担当。SKE48箱推し、フィロのス・奥津マリリ推し、ジュビロ磐田サポーター。1961年福井県出身。©Seo Hiroshi
前回、三陽商会が初めて手がけたパーソナルオーダースーツブランドを紹介したが、IoTの進化によってライフスタイルのあらゆる分野で“パーソナル化”は加速し続けている。特に最近よく語られる「体験価値」は、次代のトレンドを生み出していくのに必須の要件だ。
今回紹介するのは、プロのスタイリストから一般の顧客がスタイリングサービスを受けられるマッチングプラットフォーム「STYLISTE(スタイリスト)」。今年7月にスタートアップ事業としてローンチしたファッションパートナー代表で、自身もスタイリストとして活躍する小野田史(ひとし)さんに、「課題解決としてのパーソナルスタイリングサービス」について話を聞いた。
※記事最後に「FORZA STYLE」読者限定クーポンがあるのでご活用ください。

「ファッションスタイリング」という産業が成り立つ時代
「パーソナルスタイリング」で検索すると数多くのサービスがヒットするが、そのほとんどが個人ベースで、サービス内容や金額もまちまちだ。小野田さんが立ち上げた「STYLISTE」は、専門的な知識を持つプロのファッションスタイリストが多く登録していて、誰でも自由にスタイリストを選んで、希望する場所(店)でパーソナルスタイリングサービスが受けられるオンラインマッチングサイト。7月にローンチ以来、プロファッションスタイリストの登録者数No.1を掲げる。
――小野田さんは現在のアパレル市場などをどう見ていますか。
小野田 現在のファッション状況を見ていると、ネットのECサイトは盛り上がりを見せていますが、小売りのリアル店舗はなかなか厳しい状況で、アパレル市場規模がシュリンクしているのは明らかです。服の販売が厳しい中、いわゆる“ファッションサービス”という視点で見ると、メンテナンスのクリーニングやお直ししかなく、「ファッションスタイリング」という産業が成り立つのではないかと、一般個人への直接的なサービスであるパーソナルスタイリングサービスをスタートさせました。
――ファッション雑誌やウェブなど最前線で活躍しているプロのスタイリストがアドバイスしてくれるのは、確かに特別感や優越感がありますね。
小野田 パーソナルスタイリングサービスというと、一昔前は特別なシーンや習い事などのイベント対応型で、ハレの場で特別に着飾るときのレッスンやアドバイスがメインでした。しかし、これからはライフスタイル対応型に変化していくのは間違いありません。
――「コーディネートの平均化の時代」がキーポイントだとか?
小野田 いわゆる「働き方改革」に続く「働く服改革」によって、通勤服や休日服というカテゴライズがなくなり、コーディネートに境がなくなってきました。これが「コーディネートの平均化」です。
ファーストリテイリングの柳井会長は昔から「服は部品だ」という持論を展開していて、それには私も大いに賛同しています。その文脈でいえば、私たちプロのスタイリストは、服という「部品を選び、組み立て、使いこなすエンジニア」です。多くの一般個人の方々が、何をどう着こなすかという課題を持たれているなか、「STYLISTE」は、このような専門職としてのスタイリストがその技術や技能を活かして、課題解決としてのパーソナルスタイリングサービスを提供しています。

Photo by Kenta Iriguchi / MR PORTRAITER
自分が気に入ったスタイリストを選んで、体験できる!
――プロのスタイリストは、雑誌やメーカーのカタログ、芸能人のスタイリングなど、いわゆるB to Bが仕事ですが、「STYLISTE」は登録スタイリスト一人ひとりが一般個人へ直接サービスを提供するので、極めてC to Cに近いB to Cになりますよね。
小野田 「STYLISTE」に登録しているスタイリストはB to Bで活躍している腕の立つプロばかりで、FORZA STYLEの読者の方もご存知のスタイリストがいると思います。スタイリストは個人事業主が多いので、このサービスをスタートしたときに、「一般の方々と繋がる機会を私たちも待っていた!」という声が多く聞こえてきました。
――「STYLISTE」の仕組みを教えてください。
小野田 サービスの利用方法は、サイトから「会員登録」をしていただき、会員登録完了後に「予約する」から予約リクエストをし、予約完了後に届く決済メールから事前にお支払いいただくという流れです。
――登録のスタイリストは選べるのですか。
小野田 はい、お客様とスタイリストの双方にプラットフォームとして自由に使ってほしいので、スタイリストに質問をして、回答を得てから決めていただくことも可能です。現状では、サポートデスクを介してご質問いただけます。もちろん、指名なしでもご予約いただけます。
――1時間10,000円(消費税・交通費別途)という料金は良心的ですね。
小野田 料金設定は、「人気美容室のトップヘアスタイリストの技術料」と同等にしています。「予約方法はホテルのイメージに近く、金額感は美容師のイメージに近い」ですね。お客様へのサービス提供内容について、スタイリストにはレポートの提出をお願いしていて、次回の提案にも繋げています。
――具体的なサービスの内容は?
小野田 サービスは2つあります。まず「ショッピングアテンド」は、ショップへ同行して、“お客様に似合う無駄のない買い足しアイテム”をお見立てし、サイズやカラーのアドバイス、コーディネートやスタイリングの提案などを行います。
もう一つは、「ワードローブエディット」で、お客様の自宅に訪問して手持ちの服を使ったコーディネート、衣服の断捨離のサポート、クローゼットの整理収納アドバイス、お直しやリフォームのアドバイスなどを行います。最初は気軽に試してみたいと1時間を予約される方や、リピートで2時間という方もいらっしゃいますが、実際に利用されたお客様の感想で一番ご満足いただいているのは圧倒的に3時間です。

コーディネートの課題はすべてクローゼットに詰まっている
――「ワードローブエディット」はユニークなサービスですね。
小野田 プロがクローゼットの中身に対して直接アプローチするサービスは、きっと他にはありません。今、日本中のタンスの中に眠っている「休眠服」は7兆円ほどあると言われていて、まさにタンスの肥やし状態です。皆さん気づいていると思いますが、「コーディネートが分からない」というのは、手持ちの服がたくさんありすぎて活用方法が分からないからで、クローゼットの断捨離や整理収納ができていないと、コーディネートはアップデートしません。ワードローブエディットはまだ馴染みがないと思いますが、必ず広く社会全体に浸透していくと思いっています。
――「手持ちがありすぎて、どう札を切っていいかわからない」ということですね。
小野田 「STYLISTE」は、ファッションスタイリストの活動フィールドを広げる新しいファッションサービスとしてスタートしましたが、ワードローブエディットはまさにプロだからこそ提供できるサービスです。洋服メーカーや小売店はよく「お客様のクローゼットが一杯で、もう新しい服が入らないから服が売れない」と嘆いていますが、販売がミッションの彼らには直接的な断捨離のサポートはできません。ワードローブエディットは、「高かったから、良い生地だから、思い出だから」としまったままの服を見直す良い機会になります。
――ユーザーにはメリットですが、スタイリストにもメリットはありますか?
小野田 一般のお客様のワードローブを見ることで、ユーザーが困っていることを直接感じて、自分が携わっているファッション誌をはじめ、メーカーやブランドのスタイリングにフィードバックも期待できます。お客様と接してみて、「ファッションやコーディネートって何なんだ?」という原点を見つめ直すスタイリストもいますね。
――では、FORZA STYLEの読者に、改めて「STYLISTE」のアピールを。
小野田 読者の皆さんもすでに洋服をたくさんお持ちだと思いますが、さらに新しい服を買い足しておしゃれしたいという気持ちは変わらないと思います。ショッピングアテンドでは、働き方改革に続く「働く服改革」というべき、ビジネスカジュアルなどをご相談ください。現状、ビジネスウェアのカジュアル化についてはファッション誌でもECサイトでも誰も明確な答えを持っていません。「STYLISTE」では、ネクタイをしないビジネススタイルをプロが提案できます。スーツの価値が高い士業から、時代性に合わせたアップトゥデートなスタイルまで、一人ひとりの実生活に寄り添ったスタイリングを提案します。
――ワードローブエディットも活用して欲しいですね。
小野田 はい、ワードローブエディットを実際に体験していただくと、これがファッションサービスというより、むしろライフスタイルをサポートするサービスだと実感していただけるはずです。例えば、「この服は本当に必要なのか」「自分に合うスタイルは何か」などをプロと一緒に見極めて、クローゼットを見直すことは節約に通じます。さらに、プロのスタイリストがアドバイスすることで、着こなしに自信がつき、会社での評価に繋がったり、ライフスタイルが充実するなど、思いがけない効果が出てくるはずです。今回はFORZA STYLE読者の皆さんのために、特別なクーポンをご用意したので、ぜひ一度お試しでご利用ください。

プロによるパーソナルスタイリングサービス「STYLISTE(スタイリスト)」
<料金>
1時間10,000円(消費税とスタイリストの交通費別途)
<時間>
1時間~最長3時間(1時間単位)
*サービス当日、予定があえば、1時間単位で何時間でも延長可能
割引:10%割引
クーポンコード:forzastyle
有効期限:2019年12月31日(火)23:59まで
【クーポン利用方法】
①STYLISTEウェブサイトから「会員登録」する
②会員登録後、「予約する」から予約リクエスト
クーポンコード入力欄に「forzastyle」と入力
③予約完了後に届く決済メールから事前にお支払い
サービスデスク:contact@styliste.com





Photo:Riki Kashiwabara
Text:Makoto Kajii
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