FASHION ― 誰がアパレルを殺すのか

ファッションYouTuberが 東京・西麻布にセレクトショップを作った理由

2019.9.6 2019.9.6
2019.9.6

ファッションYouTuberとして、ヨウジヤマモト社のEC専業ブランド『S’YTE(サイト)』とコラボレーションするなど、業界でも注目されているなかむこと中村翔さんが7月末に東京・西麻布にセレクトショップ『Lieu(リュー)』をオープンした。

大手アパレルブランドや百貨店がECショップの充実に力を入れる中、YouTubeを武器とする26歳の若者がなぜ「リアル店舗」オープンを果たしたのか、その理由を探りに行った。

グーグルマップを見ながら、西麻布の隠れ家探しを愉しむ

ファッションYouTuberのなかむさんは、2017年後半にYouTubeでの動画配信をスタート。その理由を尋ねると、「代官山にあるブランド古着店で働いていたのですが、新規のお客さんを獲得するPRとしてYouTubeを始めました。今はハイブランドやまだ知られていないブランドを紹介するなど、ファッション業界を盛り上げたいという思いで活動を続けています。まだ試行錯誤している段階ですが、ファッションのニッチな部分にスポットを当てているので、もっといろんな人に知って欲しいです」と語る。


『Lieu(リュー)』2階スペース

――グーグルマップを見ながら来ましたが、西麻布とは思えないほど静かな住宅街の中にありますね。

なかむ 「駅から遠い70~80平米ぐらいのスペース」を探していて、向かいの住居の木がきれいだったのもあって気に入りました。

――確かに緑が借景のようになって、大きく切った窓越しに気持ちいいですね。店舗のデザインはご自身ですか。

なかむ デザイン・設計は自分で、どうしても和室を作りたかったので、ほぼ理想通りの出来です。2階が和室とレザーアイテム、3階が洋服とアクセサリーの構成ですが、お客さんの滞在時間が長くて、スタッフとの会話も多く、なによりお客さん同士がここで仲良くなるのをよく見ます。

――店名の『Lieu(リュー)』の意味は。

なかむ Lieuは、フランス語で「場所」という意味です。店のコンセプトが“服好きが集まる場、交流できる場”で、キーワードが場所なので付けました。

ファッションを扱う以上、「カッコイイ」ことがなにより大事

――YouTuberとして活動していると、「リアル店舗」より「オンラインショップ」の方が親和性が高いと思いますが……。

なかむ そうですね。上手くリンクさせればオンラインの方が売れると思いますが、ファッション業界は売上の数字を作ること以上に、「カッコイイこと、凄いこと」をすることがなにより大事です。他とは違うカッコイイ空間を作って、服が好きな人が集まってきて、接客したり試着したり、「実際に足を運ばないとできないこと」ができるリアル店舗を作りたかった。YouTubeなど新しい発信もしていきますが、昔ながらの部分を残したいと思いました。

――オープンして1ヵ月が過ぎましたが、手応えはどうですか。

なかむ 人件費など経費はかかるし、大変なことばかりですが、7月末から8月のあの酷暑の中、「YUKI HASHIMOTO(ユウキ ハシモト)」のウールカシミヤのコートがすぐ売れたり、地方から来てくれたお客さん同士がここでLINEの交換をしたり、「服が好きな人はまだこんなにいるんだな」と実感しました。良いモノは売れるし、凄くエネルギーを感じています。

――現在の扱いブランドの特長などを教えてください。

なかむ 今は12ブランドを扱っていて、いずれもドメスティックブランドです。「SOSHI OTSUKI(ソウシ オオツキ)」や「MASU(エムエーエスユー)」などはお客さんのリアクションが大きいですね。今はブランドをいたずらに増やさず、デザイナーとコミュニケーションを取りながら共感できるブランドとやっていきたいと思っています。インポートブランドは2020年秋冬からですね。

――これだけのスペースがあれば、トランクショーやポップアップなどいろいろできそうですね。

なかむ ブランドのポップアップは積極的に取り組んでいくつもりで話を進めています。


『Lieu(リュー)』3階スペース
ファッション界で影響力を持つ男になるために頑張っていきたい

――なかむさんはいつ頃からファッション好きになったのですか。

なかむ 物心ついたらファッションが好きでしたが、高校生の時にバイト代を使ってヤフオクでヨウジヤマモトやコム デ ギャルソンの服を買っていましたが、それを恥ずかしくて言えませんでした。それで満を持して着てみた時に周りの評判が良かったので、エスカレートしていきました(笑)。やっぱり黒が好きで、クリス・ヴァン・アッシュのディオールやマルジェラを着ていましたね。

――セレクトショップや百貨店など、今のメンズファッションの現場をどう見ていますか。

なかむ あまり大きなことは言えませんが、どの店も同じようなモノを見ることが多くなっていて、ラグジュアリーストリート的な流れで「高くて有名なモノ」を揃えているような感じを受けます。

――そういう現状を見て、『Lieu(リュー)』ではどんな提案をしたいですか。

なかむ 日本のブランドを推していきたいですね。若くて勢いを感じるデザイナーが作る服を、店やYouTubeなど様々なツールで発信していきたい。それでファッションに興味をもってくれたらと思います。なにより面白いことに取り組んでいきたいです。

――なかむさんのような若い世代には頑張ってほしいと思います。

なかむ FORZA STYLEさんも動画に力入れていますが、自分の動画でもデザイナーとの対談などは視聴者に刺さっているなと思います。思いが伝わるとうれしいので、若い世代の自分たちが頑張っていきたいと思います。

Lieu(リュー)
東京都港区西麻布4-16-8 中澤西麻布ビル2-3階
営業時間13:00~20:00
Tel.03-6427-2460
https://lieu.shop-pro.jp/

Photo:Riki Kashiwabara

Text:Makoto Kajii

Author profile

梶井 誠
梶井 誠
Kajii Makoto

今はなき講談社のメンズファッション雑誌『Checkmate(チェックメイト)』編集部のファッション班を経てフリーランス。セレクトショップのカタログやメンズ雑誌のファッションページの取材・原稿を担当。SKE48箱推し、フィロのス・奥津マリリ推し、ジュビロ磐田サポーター。1961年福井県出身。

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