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【毎日やっているアナタは危険信号】耳掃除の正しい頻度って知ってる?

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膝枕での耳掃除って憧れシチュエーションですよね

お風呂上りの耳掃除がルーティーンになっているという方はいませんか? 自分でやるのも、人にやってもらうのも気持ちいいですよね。

でも、もしかすると耳の中が傷ついているかもしれません。また、そんな方には信じられないような、耳掃除不要論が新常識となりつつあります。ご存知でしょうか。

実は奥が深い耳掃除について、今回はじっくりとご紹介‼ これを読めば、耳掃除に対する認識が変わるかも⁉

目次

◆そもそも……
 ・構造について
 ・耳垢の正体は
 ・アナタはカサカサ? ベトベト?

◆どうして耳掃除は気持ちいいの?

◆耳掃除の頻度調査

◆耳掃除不要論って?

◆耳掃除によって引き起こされる症状
 ・外耳炎
 ・外耳道湿疹
 ・耳垢栓塞

◆どうしても耳掃除したければ
 ・病院に行く
 ・セルフで
 ・人の耳を掃除するときは

◆耳掃除をした方がいいこともある

◆まとめ

◆そもそも……

まずは、耳や耳垢についての知識を蓄えましょう。自分の身体のことなのに、意外と知らないことがいっぱいありますよ‼

・構造について

耳の構造をよく見たことはありますか? 模型などをよく見ると、そのあまりの複雑さに人体の神秘を感じてしまいます。

耳穴の入り口から鼓膜までの距離は、約3cmと意外と短いのです。外耳道はS字に曲がった形をしていて、その手前3分の2は軟骨部と呼ばれています。入り口から3分の1の所には耳垢腺(じこうせん)があります。実はこれが耳あかの元となる脂を分泌している器官なのです。

・耳垢の正体は

そもそも耳垢とは、耳穴の皮膚がはがれたものや外部からのホコリに耳垢腺からの分泌液が混ざったものです。皮膚の細胞は、外耳道の入り口から3cm奥あたりの鼓膜付近から、ゆっくりと耳の外に向かって移動します。古くなった皮膚の細胞は入り口から1cmのところで剥がれ落ち、耳垢腺からの分泌物と混ざりながら、耳垢になります。

汚いだけだと思われがちな耳垢ですが、耳の中の潤いを保ち、傷がつきにくいように内膜を保護する働きをしています。また、虫などが入らないようにするためのバリアとして存在するという説も。一掃したい耳垢にも、実は必要性があったんですね。

・アナタはカサカサ? ベトベト?

突然ですが、アナタの耳垢はカサカサですか? それとも湿り気を帯びているでしょうか。

日本人の約60%はカサカサした耳垢で、約40%がベトベトタイプだと言われています。ちなみに西洋などではこの割合が反対のため、欧米ではあまり耳かき棒は売っていないそう。この違いは、先ほど言及した耳垢腺にあります。日本人は耳垢腺が少ないため、耳垢における脂が少なくカサカサと乾燥しています。反対に、耳垢腺が多いとベトッとした質感の耳垢になります。

竹や木製の耳かき棒が有効なのはカサカサタイプだけで、ベトベトした耳あかは綿棒でふきとるか、耳鼻科以外では取ることが難しいそうです。

◆どうして耳掃除は気持ちいいの?

耳掃除をすると、トロンと眠たくなるような独特の心地よさがありますよね。なぜ耳掃除は気持ちがよいのでしょうか。その理由は、神経にありました。

耳の穴には、快感を生じさせる迷走神経が走っています。この迷走神経は触れれば触れるほど快楽信号を脳へと送ります。そのため、耳掃除にはまってしまう人が続出するのです。ですがその一方で、耳を触ると咳が出るタイプの人も2割ほどいるそうです。

◆耳掃除の頻度調査

みなさんはどのくらいの頻度で耳掃除をしていますか?

とある調査によると、最も多かったのが「週に1回」、次いで「2~3日に1回」「2~3週間に1回」という結果になりました。なんと、全体の6割以上が週に1回以上耳掃除をしていることが判明しています。意外と「毎日」と答えた人は少なかったんですね。

◆耳掃除は必要ない説

上記の調査結果からも、頻繁に耳掃除をする人が多いことはわかりましたが、実は最近、耳掃除不要論が唱えられているんです‼ なんとアメリカの耳鼻咽喉科学会では「耳掃除はするべきではない」という趣旨のガイドラインまで作られたそう。ここではなぜ耳掃除が必要ないのか、耳を傾けてみましょう。

まず、耳垢が自然に耳奥の方へと進んでしまうことはありません。また、細胞は鼓膜の表面から耳の入り口へと常に動いていて、耳垢を押し出そうとする力が働いているんだとか。野生動物は耳かきをしなくても、聞こえなくなったりしませんよね。それと同じことです。

また耳かきによって耳垢がどんどん奥の方に押し込まれたり、場合によっては傷をつけてしまう恐れもあります。耳の穴は骨の上に薄い皮膚がかぶさっているだけのため、細かな傷がつきやすく外耳炎などを引き起こしてしまうのです。以上の理由から、耳掃除は不要だとされるわけですね。

◆耳掃除によって引き起こされる症状

耳掃除のやりすぎや間違った方法によって引き起こされる症状を見ていきましょう。耳に痛みやかゆみがあるという方は、当てはまっているかもしれません。その場合はきちんと耳鼻咽喉科を受診してくださいね。

・外耳炎

外耳炎とは、読んで字のごとく、外耳道に炎症が起こっている状態です。耳掃除の際に傷ついた外耳が感染することで、炎症が引き起こされます。「耳が感染ってどうやって?」と思われるかもしれませんが、プールなどの汚い水が入ることで外耳炎を発症するケースも多いそうです。

・外耳道湿疹

耳掃除をしすぎて耳垢を取り過ぎてしまうと、薄い外耳道の皮膚が荒れて湿疹になることがあります。するとかゆみが増したり黄色の分泌液が出たりするため、耳の中を掻いてしまい、症状が悪化するという悪循環に陥りがちです。場合によっては、湿疹の傷口が細菌やカビに感染し、外耳炎を発症することもあります。

外耳炎と外耳道湿疹、どちらも治療法としては、ステロイド軟膏や抗生剤の塗布などが行われます。痒くても耳掃除を我慢するというのが最も重要なポイントです。

・耳垢栓塞

これは、耳かきによって押し込まれた耳垢が塊となり、耳の穴を狭くしたり詰まらせる病気です。具体的な症状としては、耳の閉塞感や難聴、耳鳴りなどの他、まれに喉の違和感や胃の不快感を感じる人もいます。

病院での治療は、まず耳垢を摘出します。もし耳垢栓塞が大きすぎたり、外耳道へ強く付着しているときは、薬剤を使って耳垢をふやかしてから取るそうです。

新陳代謝が落ちてしまっているお年寄りは耳垢が詰まりやすく、難聴の始まりだと思ったら耳垢栓塞だったという人も少なくありません。「歳のせいで耳が遠くなった」と思い込まず、耳鼻咽喉科で耳垢のチェックをしてみてください。

◆どうしても耳掃除したければ

そう言われても「掃除しないのは気になっちゃう」「しないと詰まっている気がする」という方もいらっしゃるでしょう。そんな方は安全な耳掃除方法を知っておきましょう。

・病院に行く

一番安全で確実なのは、耳鼻咽喉科のお医者さんに掃除してもらうこと。耳に傷がつかない方法できれいにしてもらえます。もし傷がついていた場合は治療もしてもらえますし、正しいセルフケアも教えてもらうことができてよいことずくめですね。

「耳掃除だけで病院を受診するのは気が引ける……」という懸念もあるかもしれませんが、保険適用になる場合もありますし、お医者さんも奨励しているので、気軽に訪れてみましょう。

・セルフで

「病院に行くのはお金もかかるし、やっぱり自分でやりたい」というアナタのために、耳垢タイプ別のおすすめ耳かきグッズをご紹介します。ご自身はどれが最適でしょうか……?

粉タイプには:耳用掃除機、ベビー綿棒、粘着綿棒
乾燥してパラパラと細かく、耳の奥まで自然に入りやすいため、最も掃除が困難なタイプ。粘着剤が付いた綿棒でくっつけるようにして拭う方法が適しています。

抜け殻タイプには:耳用掃除機、ベビー綿棒、粘着綿棒
粉タイプと同様に乾燥していて、脱皮したような薄い耳アカが特徴です。対処法は粉タイプと同様です。

べとべとタイプには:ワイヤー式耳かき、金属製の円盤状耳かき
耳垢腺からの脂分が混ざっているため、黄色くて粘着性がある状態です。ワイヤー式で絡めとると掃除しやすくなります。

ベトベト粉タイプには:耳用掃除機、ベビー綿棒、粘着綿棒、ワイヤー式耳カキ
粉タイプの耳垢に多く脂がついたもの。粉タイプと同じく細かいので、耳かきでは鼓膜近くまで押し込まれてしまいます。

ベトベトシートタイプには:ワイヤー式耳かき、金属製円盤状耳かき
抜け殻に脂が多くついたもの。べとべとタイプと同様に絡め取れる器具がよいです。

ざっくりとですが、油分の少ない耳垢はくっつけて拭きとる掃除グッズ、油分が多い耳垢はワイヤーなどでからめとれるタイプの掃除グッズがよいということがおわかりいただけたかと思います。どれを用いる場合も、「奥まで」「強く」行うのはNG。また頻度も多くて2週間に1回程度で充分ですよ。

さらに、どのくらいの深さまで掃除していいのか気になりませんか? お医者さんが推奨している深さはだいたい1cmまで。むしろ入り口からすぐのところだけでも良いくらいだそうです。

・人の耳を掃除するときは

お子さんや恋人など、誰かに耳かきをする機会はないとは言えません。そんなときのためにコツを知っておきましょう。

人の耳を掃除するときはぎゅっと耳を後ろに引っ張ってから上に引っ張ると、耳の穴が真っすぐになるので奥まで見やすくなります。ただ、見やすくなったからといって深追いは禁物ですよ‼

そしてこれは安全面ではなく気持ちいい耳掃除のためのワンポイントなのですが、他人の耳掃除をするときはまず手を温めましょう。冷たい手だとヒヤッとしてしまいますし、温かい人の手というものは安心感を与えることができるのです。

◆耳掃除をした方がいいこともある

もちろん、耳掃除が完全に不要だというのは極端すぎるでしょう。耳掃除をしたほうがいい場合もあります。耳垢が過剰に溜まり過ぎると聞こえが悪くなることがあり、補聴器を使っている人は耳垢が補聴器の機能を下げてしまうことも。

そんな時には耳鼻咽喉科で掃除してもらうことで改善します。もし予防として自分で掃除をしたいならば、2週間に1回程度、湿らせた綿棒などで優しく拭き取るくらいで充分です。

◆まとめ

いかがでしたか? 意外な耳掃除の危険性や耳垢の働きには驚きでしたよね。

ご自身にはどんな耳掃除アイテムが最適なのか知ることができたでしょうか。最近は様々なアイテムが販売されています。売り場をチェックしてみても面白いかもしれませんね。

毎日耳掃除をしているというアナタは、これをきっかけに2週間、耳掃除を我慢してみませんか?

Photo:Getty Images
Text:K.S



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