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ただの「汗っかき」じゃ済まない! 多汗症の特徴と症状まとめ

2019.9.20 2019.9.20
2019.9.20

汗で「スマホが水没」!?

そう暑いわけでもないのに、とにかく身体から汗が噴き出てしまって困る――こんな悩みを抱えている方も少なくないことでしょう。「汗っかき」は、人によってはかなりのコンプレックスになり得ます。

しかしその体質、もしかしたらただの汗っかきではないかもしれません。本記事では、汗っかきの裏に潜む「多汗症」について徹底解説致します。心配な人はぜひ最後まで読んでくださいね!

「多汗症」とは?

多汗症という症状を聞いたことがあるでしょうか? 読んで字のごとく、大量に汗をかいてしまう病気のことです。

運動した後、暑い日、ひどい緊張etc……で汗をかくのは一般的ですが、多汗症の場合はそうした要因がなくても汗が出てきます。また、じんわり湿る程度ではなく、手のひらから汗がしたたるほど大量の汗をかいてしまうということも。

人並み外れて汗をかいている、という心当たりがある方は多汗症かもしれません。

人が汗をかくメカニズム

そもそも、人はなぜ・どうやって汗をかくのでしょうか。

汗の基本的な機能は「体温調節」です。脳が体温の上昇を検知すると、汗腺に「汗を出せ」と指令を出します。そして表面に出てきた汗が蒸発することで熱を奪ってくれる、というのが汗をかく理由と仕組み。有体に言えば、打ち水のようなものです。

ちなみに、動物でこうやって汗をかくのは人間と馬くらいなものなのだそう。進化の過程で脳をフル回転させることが多くなった人間は、脳が身体の熱で駄目になってしまうことを防ぐためにこのような効率的なシステムを編み出した……と言われています。

汗っかきとはどう違う?

特に何もなくても異常に汗をかいてしまう「多汗症」。汗っかきとの線引きは明確にされているのでしょうか?

日本皮膚科学会の「原発性局所多汗症診療ガイドライン 2015 年改訂版」(https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/genpatuseikyokusyotaknsyouguideline2015.pdf)にはこうあります。

局所的に過剰な発汗が明らかな原因がないまま6カ月以上認められ、以下の6症状のうち2項目以上あてはまる場合を多汗症と診断している。

1)最初に症状がでるのが25歳以下であること
2)対称性に発汗がみられること
3)睡眠中は発汗が止まっていること
4)1週間に1回以上多汗のエピソードがあること
5)家族歴がみられること
6)それらによって日常生活に支障をきたすこと

※対称性:身体の左右対称のこと 

※家族歴:家族や親せきに同様の病気を持った人がいること

重度の多汗症の人は、自らの手汗で携帯が水没状態になってしまったり、汗で濡れてしまって紙に字が書けないということもあるそうです。確かにただの汗っかきとはわけが違い、日常生活にかなり支障をきたしていますよね。

自分が多汗症なのかどうか曖昧だという人は、以下の項目をチェックしましょう!

☑ 運動もしていない、暑くもないのに汗をかくことがある
☑ 自分で自分の汗の臭いをきつく感じる
☑ 他人から体臭を指摘されたことがある
☑ 衣服が汗で黄ばむことがある
☑ 発汗のせいで、日常生活で困ることがある(書いている紙が濡れてしまうなど)
☑ エアコンの効いた部屋にいることが多い
☑ 肉食が多い

当てはまる項目が多いという人は、多汗症である可能性が高いです。

多汗症の分類

多汗症といっても一種類ではありません。いくつかのカテゴリーに分類することができます。

・場所

まず、多汗症は全身性と局所性に分けられます。身体にまんべんなく汗をかくなら全身性、手のひらや足の裏、腋など特定の部位にかくなら局所性の多汗症です。ちなみに、前者が10%・後者が90%(!)と、多汗症患者の中でも局所性多汗症が圧倒的に多いのだそうです。

また、温熱性発汗といって「暑いから」出る汗は全身から、精神性発汗といって「緊張や驚いた時に」出る汗は手のひらや足の裏などの局所的な部位から出ると言われています。

・原因

ここでも2つに分けられます。多汗の原因が他の病気に関係している場合は続発性、特にどこも悪くはない原因不明の多汗なら原発性と呼ばれます。

続発性の場合、呼吸不全や感染症、悪性の腫瘍、低血糖など様々な病気と併発している可能性があります。これらの病気を発見するためにも、異常な発汗を感じたらお早めに病院へ行くことをおすすめします。

つまり、多汗症と一概に言っても「続発性で全身性の多汗症」「続発性で局所性の多汗症」「原発性で全身性の多汗症」「原発性で局所性の多汗症」の4つに分かれている、というわけです。

多汗症になる原因

昔は、汗をかくのは緊張しすぎたり神経質な性格によるものだと思われていました。しかし、そこには少し誤りがあります。

ストレスや緊張で大量に汗をかくというのは間違っていないのですが、これは性格によるものではなく交感神経のはたらきが問題だったのです。不安や緊張を感じると、交感神経が優位になり汗腺が活発になります。つまり、交感神経が敏感であればあるほど汗をかきやすいということ。

緊張しいな性格であっても交感神経が鈍ければそこまでの多汗にはなりませんし、リラックス状態だと自分では思っていても交感神経が敏感に反応するタイプの人は多汗症になる確率が高いのです。

治すにはどうすればいい?

日常生活もままならない多汗症。治療方法はあるのでしょうか?

・生活習慣を見直す

多汗を抑えるためには、交感神経の動きを活発にしてしまうものは控えるに限ります。例えば、喫煙やコーヒーは交感神経を刺激するのでやめた方が良いでしょう。食べ物では辛すぎるものや酸っぱいもの、甘すぎるものも「刺激物」に該当します。辛党さん・甘党さんには苦行かもしれませんが、ちょっと我慢してマイルドな食事を心がけてくださいね。

おすすめなのは、逆に副交感神経を刺激する「イソフラボン」を含んだ食材です。豆腐や納豆などは取り入れやすいのではないでしょうか?

・リラックスできる時間を作る

副交感神経を優位にするためには、瞑想やヨガを日々のルーティンにしている人も少なくありません。ぬるま湯につかったり、ハーブティーを飲んだり、アロマを焚いたりすることも有効だと言われています。心拍数を抑え、リラックス状態を作る習慣を身に着けられれば◎。

☆ハーブティーといえばこれ! カモミールの効能をご紹介した記事はこちらです。どうぞご参照ください。
【あのクレオパトラも愛用⁉】カモミールの効能と美味しい飲み方&使い方

・医療機関に相談

多汗症の主な治療は、薬や手術で行います。主だった治療方法をご紹介します。

*外用薬、内服薬

外用薬では、塩化アルミニウムなどを含んだ薬がメジャーなようです。特に、腋汗が多いという方はこの薬を患部に毎日塗ることで効果が表れます。

内服薬は、「アセチルコリン」という交感神経から出る物質を抑える飲み薬がよく処方されます。こちらは外用薬とは違い、患部だけではなく広い範囲に効果がある薬で、汗以外にも唾液や涙などの分泌も一緒に抑えるといった副作用もあります。

*ボツリヌス菌注射(ボツリヌス療法)

ボツリヌス菌が作るたんぱく質を有効成分とする薬を腋に注射し、異常な発汗を抑えるという治療法もあります。だいたい2~3日ほどで効果が表れ、それが半年前後持続する療法です。再び症状が出た時に、また施術を行うというサイクルで治療を進めます。

*漢方

漢方では、多汗を抑える「黄耆(オウギ)」という成分がよく治療に使用されます。黄耆とはマメ科の植物で、多汗症以外にも腎機能の低下やむくみ、皮膚の炎症の治療なんかにも使われることがあるそうです。

*手術

多汗症の手術では、おおまかに胸部の交感神経を焼く焼灼術と、切る切除術の2つに分かれます。胸部の神経を焼いたり切ったりする手術……というと若干不安になる方もいらっしゃると思いますが、手術は1時間しないくらい(短くてなんと10分程度!)で終わる簡単なものです。

また、手術とは違いますが、「イオントフォレーシス」という電流による治療方法もあります。これは手のひらや足の裏など発汗の多い部分を水に浸し、弱い電流を流すことで発汗を抑えるというもの。10回ほど繰り返すことが必要になりますが、症状の軽い方はこの治療法を選ぶ場合が多いそうです。

番外編:無汗症とは?

最後に、「汗」の病気つながりで無汗症についてご紹介します。

無汗症という症状を聞いたことがあるでしょうか。読んで字のごとく、暑かったり、運動をした後でも汗をかけない病気です。「汗をかかなくても、それはそれで快適だし多汗症よりマシなのでは?」とお考えの方がいるかもしれませんは、それは甘い見通しと言わざるを得ません。

上の項での説明の通り、汗をかくという機能は体温の上昇を抑えるためにあるので、汗をかけないというのは体温の異常な上昇を助長してしまいます。体温の上昇の他にも、めまいや吐き気、脱力感なども症状の一種です。

この無汗症ですが、実は指定難病にも登録されている原因不明の病気なのです。スポーツが好きな人、普段から屋外で仕事をする人などよく汗をかく状況にある人(特に若い男性)がなりやすいと言われていますが、有効な予防法などは提示されていないんだとか。

なかなか気づきにくい病気ではありますので、定期的に身体を動かして(汗をかくシチュエーションを作って)異変に気付きやすくしておくのが良いと言われています。お気をつけて!

まとめ

「汗っかき」自覚のある皆様、いかがでしたでしょうか?

自分の汗の臭いが気になったり、手汗が気になって他人と握手もできないといった日々の苦労を抱えている方は、これを機会に「ただの汗っかき」ではなく「多汗症」なのではないか、と疑ってみてください。

多汗症は食生活の改善や薬、手術などでほぼ確実に改善します。 ぜひ多汗症予防・治療を行って、快適な生活を手に入れましょう!

Text:K.S
Photo:Getty Images

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