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超絶ワイルドなモンスターSUVがこの夏日本上陸! BMWの新型、X7の乗り心地とは!?

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BMWが送り出すビッゲストSUVはいったい誰のものに!?

エルパソ(El Paso)という町があります。アメリカ、テキサス州のメキシコとの国境にあるボーダーシティです。トランプ大統領の「国境の壁建設」発言で注目を浴びた国境はダウンタウンのすぐ側。となれば街中はざわついているかと思えばそうでもありませんでした。日中は長閑なものです。ただ、気軽にメキシコにランチとはいかないのは事実。「出るのは5分、入るのは2時間」と、地元のタクシードライバーにおどされました。

そんなエルパソでステアリングを握ったのがBMW X7です。最近はセダン同様SUVにも大中小のサイズが要求されています。そこでBMWが出した答えがコレ。数字からもわかるようにBMWの中でもっとも大きなSUVになります。X1、X2、X3と続くシリーズはついに“7”まで到達することになりました。

数字からもわかるように、このクルマは7シリーズに匹敵します。ライバルはメルセデス・ベンツSクラスに相当するSUVのGLSでしょう。全長5mを超える3列シートのボディは2.5トン級となります。

ベースとなったのはフルモデルチェンジしたX5。インターフェイスを含めBMWの最新技術が投入されます。ただ、そうはいえどもおよそ70%はオリジナルだと説明を受けました。理由は重さ。ボディ剛性やエアサスを含めシャシーセッティングはX5と異なるそうです。

試乗車は3リッター直6ターボのガソリンエンジンでした。が、日本仕様は同排気量の直6ディーゼルターボエンジン車のみとなる模様。モデル名はX7 xDrive35d。最高出力は265ps、最大トルクは620Nmとなります。省燃費を鑑みればその方が現実的ですよね。BMW製ディーゼルユニットの定評はすでに得ていますし。

なので、今回エルパソからフェニックスまでの距離およそ700kmをテストドライブしたのですが、ガソリンエンジンの印象をお伝えしてもあまり意味ないかもしれません。ですが、ガソリンエンジンで出だしからトップスピード付近まで終始力強く走ったのですから、ディーゼルになるとスタートはもちろん中間加速はさらに期待できるかと。なんたって重さのあるクルマですから、ディーゼルの低回転から発生する太いトルクは大きな武器になるはずです。

走り以外で突出していたのは乗り心地でした。エアサスのセッティングは快適性を重視したものです。ドライブモードを“コンフォータブル”にするとBMWのイメージ以上にフワフワします。もちろん、それでもスピードが上がるとロールは抑えられ上物はピタッと安定します。その辺は彼らの得意分野ですね。

こうした快適性に振った味付けは意図したモノです。と言うのも、生産工場はサウスカロライナ州のスパータンバーグ。Xシリーズのほとんどをつくっているファクトリーです。つまり、メインマーケットは北米。フルサイズSUVマーケットが大きなそこが標的になります。そう考えると、GLSもそうですが、キャデラック・エスカレードやリンカーン・ナビゲーターも視野に入っているかもしれません。今回キドニーグリルがグッと大きくなったことで、フロントマスクの迫力はそれらアメリカンSUVにも引けを取りませんから。

余談ですが、現地で開発の責任者にその辺のことを問うと、もううんざりという顔になりました。どうやら各国のメディアが同じ質問をしていたようです。なので、その先の質問の前に開発者の方から、「X7のロングホイールベース版をつくる予定は今はありません。ただ、市場のニーズによってその辺は柔軟に対応することになるでしょう」と。そしてそれと同時にBMWの運動性能を保つには、このサイズが限界だとも口にしました。

それはともかく、今年の夏には日本にもX7は上陸します。さて、どんな人々がピクリと反応するのでしょうね。BMWにとっては特異なモデルだけに、マーケットの動きが気になります。アウトドア派、セレブ系ラッパー、ミニバンからの乗り換え、などなど。想像は膨らみます。



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