【惜しいよオトコその24】その言葉、横文字にする必要ありますか? プレゼン・カッタカナ氏
桜が美しい時期ですね。みなさんお花見はされましたか? この春ご就職、転職、ご進学のみなさま、おめでとうございます。新たな環境でのご活躍を気絶応援いたしております♡
さて、新しい場に身を移すと、いろいろな方のお話を聞く機会も増えますよね。というわけで、今回ご紹介するのは、プレゼン・カッタカナ氏。
「それ、アグリーだわ」「この案件、ASAPでね!」など、日本語でいいところまでカタカナ語でしゃべる方がいますけど、聞いていて恥ずかしくなることがあります。
“仕事できます”アピールをしているつもりだと思いますが、残念ながら逆効果で、頭が悪そうに見えてしまって惜しいですよね。
こういう方のプレゼンでは、見づらいパワーポイントが多く、何が重要なのか読み解くのに苦労したこともありました。おまけに、意味を確認しようとすると、こちらが頭が悪いような空気を作り出すのがとてもお上手なんです……。
私が初めて感動したプレゼンテーションは、昭和40年代の終わり頃。お正月に、実家の近くの豊川稲荷に毎年、薬草とその煎じ方や効能が書かれた手作りの本を売りにきていたおじさんです。ビールのケースを高く積んだステージから、「この草で癌が治ります!!」と叫ぶと、その薬草と本が飛ぶように売れて、私の父も買っていました。
このおじさんの演説も、ジョブズの芝居がかった大げさなプレゼンも、お芝居を見ているようでとても楽しかったです。
そのテクニックを真似しようとして、自己啓発本ばかり読んでいる方とお話をすると、自分の言葉ではなく、人の言葉でしつこく啓蒙しようとしてきますから、逃れるのに一苦労。まるで洋画の吹き替えのように大げさな言い回しも特徴で、つい笑ってしまうと、ますます調子に乗って長引きますので注意が必要です。
飲み会などで、上から目線で説教を垂れ若い子たちに嫌がられているのに気づいていない方もいらして、「僕は愛されキャラなんだよ」と満足そうにつぶやいていたのを聞いたこともありました。
自分のプレゼンに酔いしれてしまうのが、大きな勘違いの原因のようですね。
日舞の舞台でも、観ていて笑いをこらえきれないほど面白い舞踊家の方がいらっしゃいます。師匠の言うとおり、「舞台の気持ち良さにのまれて酔いしれてしまうことほど滑稽なことはない。常に離れたところから自分を見るようにして舞うように」という意識を持ち続けることが大事ですね。
ということで、今週の理想の男性は、客観性があり、モノマネをしない人。とくに、ポケットに手を入れなくてもポーズが決まる人に気絶です♡
Illustrations: Akiko Hiramatsu
Edit : Yukari Tachihara
平松昭子 Akiko Hiramatsu
イラストレーター/ブロガー 雑誌やWEBサイトをメインに、ファニーでエレガントなイラストやエッセイを執筆する。一方そのファッションセンスが注目され、女性誌のファッションスナップページなどに多数登場。着物を愛好し、Masshivanのメンバーとしてアート活動にも力を入れている。著書に『平松昭子の着物事件簿』(宝島社)『マンガで読む絶望名人カフカの人生論』(飛鳥新社)『平松昭子のファッションホリック道』(KKベストセラーズ)などがある。かつて原宿のアンティークショップでバイトをしていたこともあり、FORZA STYLEでは「アニ散歩」に大注目。いまの夢は「カウンターでアニキと飲むこと!」。数年前に発売したマンガ本、『マンガで読む絶望名人カフカの人生論』がなんと実写版のドラマに!『カフカの東京絶望日記』がYou Tube で無料配信中。https://youtu.be/glRKZeYECg0 また、ドラマ化を記念して、ブティック★ヒラマツでカフカ絶望Tシャツが発売中です。http://bit.do/eMGJE
オシャレでキュートなイラスト満載のHPはこちら! http://akikohiramatsu.com