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イライラしない毎日を! 「アンガーマネジメント」って知ってる?

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「パワハラ上司」と呼ばれないために

季節は春。異動したり、新入社員が入ってきたりとビジネスマンにとっては変化の季節ですね。そんな変化を経て、まだ仕事に慣れない部下や同僚についつい怒ってしまってはいませんか? または、そういう人が周りにいませんか?

怒ってばかりでは、その場の雰囲気も悪くなりますよね。そこでおすすめなのが、当記事でご紹介する「アンガーマネジメント」という手法です。怒りっぽいあなたも、これでストレスフリーな毎日を過ごせるかもしれません。

早速調査していきましょう!

目次

◆アンガーマネジメントとは

◆アンガーマネジメントの発祥

◆アンガーマネジメントの効果

 -生産性の向上
 -客観的な人間になれる
 -モチベーションの維持

◆「怒り」の仕組み

 -「怒りは二次感情」
 -脳の仕組み

◆「怒り」の種類

 -持続する怒り
 -強度が高い怒り
 -頻発する怒り
 -攻撃性のある怒り

◆アンガーマネジメントテクニック5選

 -タイムアウト法
 -コーピングマントラ
 -6秒ルール
 -「アンガーログ」を書く
 -”I"メッセージを大切にする

◆気を付けること

 -「べき」を捨てる
 -怒らないための方法ではない

◆まとめ

アンガーマネジメントとは

アンガーマネジメントとは、「anger(怒り)」と「management(管理する)」の複合語です。単語の通り、一時の感情に任せて怒るのではなく、怒りと上手に付き合う……つまり、その感情を適切にコントロールするという意味です。人間関係改善のために導入している企業なども増えているそうですよ。

アンガーマネジメントの発祥

アンガーマネジメントが提唱され始めたのは1970年代のアメリカで、心理教育・心理トレーニングの一種として考案されました。教育現場や政治家、医者のような様々な人と関わる職種の中で「よりよいコミュニケーション」を目指して利用されていたようです。

現在は「ゆとり世代」の入社などをきっかけに日本でも認知が進んでおり、日本アンガーマネジメント協会によれば受講者数はうなぎのぼりで、2017年までには約60万人がアンガーマネジメント講座を受講したといいます。

アンガーマネジメントの効果

アンガーマネジメントには数多くのメリットが存在し、これらは社会生活を営む上では欠かせないと言っても良いほどです。どんな効果があるのかご紹介致します。

・生産性の向上

様々なハラスメントが問題になっている昨今ですが、アンガーマネジメントを導入することによって防げることがあります。いわゆる「パワハラ上司」に接しているビジネスマン(特に若い方)は、萎縮してしまい自分の能力を全然発揮できません。大抵の場合、その人の能力を正しく認められる場においてはパワハラ上司の下で働いている時の何倍もの力を発揮できるものです。あなたがその怒りを抑えることで、人間関係の改善だけでなく、部署の業績がアップすることだってあります。「あぁ、自分部下に最近怒りすぎているな」と感じている皆様は、今日からちょっと意識して「ありがとう、いつも助かっているよ」というような労いの言葉をかけてみてはいかがでしょう?

・客観的な人間になれる

アンガーマネジメントを習得すれば、物事を客観的に見られるようになります。他人に言われたことでイラッとしても、「あの人がああ言ったのは違う意味だったのかも」と考え直せる余裕もできますし、「私は今怒っているな」と冷静に判断することで余計なイライラを増やさなくて済みます。また、他人がひどくイライラしている時でも「あのせいで怒っているのだろうな」と予測し、適切な対処法を考えることができるでしょう。

・モチベーションの維持

青色LEDの研究でノーベル物理学賞を受賞した中村修二氏をご存知でしょうか。中村氏は「怒りが全てのモチベーションだった」と話しています。何事においても悔しさや怒りは成長のバネになります。陰口を叩かれた時や失敗した時に手当たり次第怒るのではなく、アンガーマネジメントの手法をマスターしていれば、思いもよらないような成果をあなたも出せるかもしれませんよ。

「怒り」の仕組み

アンガーマネジメントの詳しい方法をお教えする前に、そもそも怒りとは何なのかについてお話する必要があります。

・「怒りは二次感情」

このような言葉を聞いたことはありませんか? 元は他の感情だったものが、考えるにつれて怒りへと変わっていくという意味です。例えば、目をかけていた部下がいきなり退職したとします。最初は心配するでしょう。しかし、だんだん「あんなに世話をしてやったのに、その結果がこのザマか」「目をかけただけ無駄だった」という怒りに変わってくるのではないでしょうか。この怒りは、元々は期待であり、心配でした。最初から怒っている、ということはほとんどないものなのです。

・脳の仕組み

怒りという感情は、脳の大脳辺縁系にある扁桃体という部分に深く関連しています。ここは本能的な行動や感情を司る部分で、扁桃体が「ストレスを感じた」と判断するとアドレナリンというホルモンが分泌されます。アドレナリンが出されることによって心拍数や血圧の上昇が起こり、怒っている時の興奮状態になるというわけです。

アドレナリンの詳しい説明はこちらから!
健康と美が手に入る?「生存本能ホルモン」アドレナリンの効果とは

怒りの種類

更に、怒りには何種類ものパターンがあります。アンガーマネジメントを始める際には、今の自分の怒りがどのタイプなのかを知っておくと良いでしょう。

持続する怒り

怒った時のことをずっと忘れられず、時間が経ってもイライラしている怒りです。または思いだし怒りのことも指します。当時何も言えずため込んでしまった、怒りを伝えられなかったというケースが多く、経過時間に比例して怒りもどんどん強まっていくことがあります。こういう時は、怒りを思い出さないように何か没頭できる作業を用意できると良いですね。

強度が高い怒り

一度怒ると歯止めが効かなくなって、つい怒鳴りつけたりしてしまう怒りです。性質上、怒っている本人もコントロールしづらいタイプの怒りでしょう。この怒りに対して効果的なのは、アンガーマネジメント協会考案の「怒りのツボ当てゲーム」。誰がどんなことでどれくらい怒るかを予想するゲームで、他の人の「怒り」について知ることで自分のイライラの対象も少なくなっていく可能性があります。ぜひお試しあれ。

頻発する怒り

小さなことでもすぐ苛立ってしまう時はこのタイプの怒りです。何か1つ気に入らないことがあって、それが引き金となって「あれもこれも気に入らない」とヤケになってしまうことってありますよね。怒りが頻発している時は、何を置いても気分転換です。映画を見るなり音楽を聞くなり、自分にとってリラックスできる行動を見つけておけると良いですね。

攻撃性のある怒り

人やモノに対してつい手が出てしまう場合、攻撃性のある怒りであると言えます。また、自分に対して当たってしまう(自傷行為)もこれに含まれます。暴力、暴言が出てしまうほど追いつめられている時には、上3つの怒りに対する対処法よりも以下でご紹介するアンガーマネジメントのテクニックが功を奏するかと思われますので、参考にしてみてください。

アンガーマネジメントのテクニック5選

お待たせいたしました! アンガーマネジメントのテクニックをご紹介します。これさえ覚えていれば、どんな場所でも冷静で素敵な大人でいられますよ。

・タイムアウト法

タイムアウト法は子育てによく使われる手法で、クールダウンのための考えです。子どもがわがままを言って泣き喚いた時、静かな部屋に放置すると落ち着きを取り戻すといいます。その場に誰もいなければ八つ当たりもできないですし、かまってくれる人もいないわけですから。大人も同じで、イライラしてしょうがない時は誰もいない部屋でしばらく過ごすとすぐに冷静になれることが多いそうです。

・コーピングマントラ

コーピングは「困難なことを対処する」、マントラは「呪文」という意味です。よく使われるのは「大丈夫」や「想定内」という言葉。怒っても無駄なこと、例えば電車の遅延やパソコンの故障にイライラした時「大丈夫大丈夫。いつものことじゃん」と繰り返すことで、気分を落ち着かせるというものです。また、自分で言うのではなく守護霊が自分に言っているのだと見なす「ガーディアンエンジェル」という手法もありますが、内容としては同じものです。

・6秒ルール

「怒りが持続するのは6秒」――という言葉を聞いたことはありませんか? そんなわけない、とお疑いかもしれませんが、この6秒の間じっと「待つ」だけで比較的落ち着くのだそうです。これはアドレナリンとは反対の効果を持つノルアドレナリンが身体を巡るのにかかる時間と言われています。そして、この6秒間にしてはいけないのが反射的行動。何かを言い返す・手を出すといった行為はぐっと我慢しましょう。待てるかどうか不安という方は、「カウントバック」のような数字を使った思考法(100から一定の数字を決めて引き算を続ける)も効果的ですよ。

・「アンガーログ」を書く

アンガーログとは「怒り日記」のことです。日記といっても、寝る前に書くようなものではありません。怒ったその場でつけるのです。例えば……

日時:3月1日 20時
場所:電車の中
出来事:前の席が空いたから座ろうと思ったら、押しのけられて席を取られた
思ったこと:譲れよ
怒りの強さ:4  ※10段階でつける。1=ちょっとイラッとした程度、10=人生最大の怒り

……という感じです。走り書きで構わないので、「今感じた怒り」を書きとめておくことが大切なのです。例えば、同じ出来事であってもシチュエーションによって怒りの強さが3だったり6だったりするでしょう。後から見返して、「あぁ、この時疲れていたから6に感じてしまったんだな」と客観的に見直せる資料にもなります。後はシンプルに鬱憤を晴らすツールとして、ぜひ使ってみてください。

・”I"メッセージを大切にする

これは、怒っている時でなくとも実践していただきたい方法です。例えば、大事な取引に寝坊してきた部下に「お前はなんてだらしないやつなんだ」と言うのはyouメッセージ。「僕は本当に悲しい。この取引だけは真面目に取り組んでほしかったな」と言うのはIメッセージです。Iメッセージを中心に使うことで、怒られた人も受け入れやすいと言われています。ただ、勘違いしやすいのはただ単に「と私は思うよ」とつけるのはIメッセージではないということ。あくまでも自分がどういう行動にどう感じるのかを具体的に伝えましょう。

気を付けること

最後に、アンガーマネジメントをするにあたっての注意点を説明します。これさえ頭に入れておけば、免許皆伝! イライラする生活とはおさらばです。

・「べき」を捨てる

怒りは「××なら〇〇するべき」という自分の思い込みから生まれるものです。例えば「新人なら一番最初に出社すべき」というような。「べき」という思いがなければ、新人と電車で一緒になっても何も思うことなく挨拶を交わせるでしょう。これは絶対に守ってほしい!というルールでなければ、「べき」はできる限り忘れた方がストレスは軽減されると思われます。

・怒らないための方法ではない

ここまで「怒りを抑えるために……」とお話ししてきましたが、実はアンガーマネジメントは「怒ってはいけない」という教えではないのです。あくまで不要な怒りを取り除いたり、行き過ぎた怒りを鎮めるだけ。「これは放っておけん!」と思ったことはしっかり伝える=怒るのも、適切な伝え方を意識すれば立派なアンガーマネジメントになりますよ。

まとめ

いかがでしたか?

かの孫正義氏の名言に「怒るのは自分の知恵の足りなさを認めるようなものです」というものがあります。その言葉の通り、少し工夫すれば怒りは簡単にコントロールできるもの。仕事でも家庭でも使える「アンガーマネジメント」、使いこなせればストレスフリーな生活が待っていますよ!

Text:K.S
Photo:Getty Images



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