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LIFESTYLE ネット・SNS危機管理マニュアル

執行猶予中なのにまたやってるぞ! 同一犯による現在進行形の子供を狙うSNS性犯罪。その卑劣な手口とは。

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講演、メディア出演、執筆などを通じて、炎上の「火消し」からフェイクニュース対策まで幅広く発信している小木曽健氏によるネットニュース分析、推察コラム。

先週、あるライブ配信者(ライバー)のSNS投稿が話題となりました。配信サービス内に、アプリ初心者の子供ばかりを狙うタチの悪い犯罪者がいる、気を付けて、という注意喚起。

その犯罪者は、ユーザー登録したばかりの小・中学生を見つけては気さくに話しかけ、さりげない会話を交わした後に突如態度を豹変、

「言うこと聞かないと住所や電話番号を特定して拡散するよ。ブロックしても無駄だから」

と、わいせつ画像やわいせつ行為を強要。大人なら「バカなの?」と相手にしないであろう、頭の悪過ぎる犯罪なんですが……実は私、この犯人のことよく知っているんですよ。顔も名前も、その犯行手口も。

全国の学校を回っていると、現在進行中の児童ネット犯罪について、被害者本人から相談されることがあります。コイツは毎日、数十人もの子供を手あたり次第に脅していたので、次第に私もその存在を認識するようになりました。

脅しを真に受け、猥褻なテレビ通話に応じてしまった子、児童ポルノに当たる画像の撮影・送信を強要されてしまった子も出てきたので、何とかせねばと(アカウントを作ってはすぐ消す手口でアプリ運営からも逃れていた)考えあぐねていたのですが……。

昨年秋、ある被害者のケースが事件化。捜査が一気に進展し、自宅のある東海地方の大都市に捜査員が出向き、その場で逮捕。新幹線に乗せられ関東のとある県の警察に留置されました。

驚いたことにその犯人、奥さんも子供もいる20代後半の会社員でした。公判を傍聴したのですが、泣きながら反省してたよね、キミ。治療を受けて更生するって、裁判官や検事に誓ってたよね。

実は過去にも2度、同様の犯罪で捕まり起訴猶予になっていたので、さすがに今回は執行猶予つかないだろうと思っていたんですが、どういうワケか執行猶予付きの判決が出てしまい、再び野に放たれ、そして……

あれから3か月しか経ってないのに、また始めたんですね。しかも捕まった時と全く同じ配信サービス使って、手口も一緒で、脅し文句も一言一句変えず、テレビ通話アプリに誘導する手口も相変わらずなんだね。

確か今はお母さんと暮らしているんじゃなかったっけ? もうお母さんに迷惑かけないって約束したよね。

おまえ、執行猶予中に何やっているの?

子供たちに伝えて下さい

住所を特定するぞ、みたいな荒唐無稽の脅しは、相手が高校生くらいになるとあまり効かなくなり、無視&ブロックされるようになります。でもそれって実は、犯罪者にとって好都合なのです。

だって「小中学生しか騙せないような稚拙な脅し」に屈してしまうのは小中学生だから。自分にとって最も望ましいターゲットである小中学生を、確実に選別&捕捉できる。脅し文句に獲物の選別機能を持たせているのです。どこまで卑劣なんですかね? だからアイツもその犯行手口を変えない。

この「子供しか騙せない脅し」は数年前から増え続けています。この卑劣な手口を多くの人たちが知り、子供たちに伝え、新たな被害者を生まない状況を作る。これは非常に重要なことです。ぜひ身近な子供たちに伝えて欲しいです。

ちなみにアイツ、裁判では被害者に対する自発的な謝罪もなく(促されてやっと謝っていた)、被害者の名前も覚えておらず、法廷全体が深いため息に包まれていました。

どうか、この記事がヤツの目に留まり、卑劣な犯行が止まるキッカケになることを祈っています。もう改心とか期待してないから、とりあえずやめろ。

 

Text:小木曽健(国際大学GLOCOM客員研究員)

※本記事のタイトルはFORZA STYLE編集部によるものです。

 



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