FORZA STYLE 編集長 兼 ファッションディレクター
尊敬する人は、ロロ・ピアーナの元会長セルジオ・ロロ・ピアーナさん、ピエール・ルイジ・ロロ・ピアーナさん、トッズの会長ディエゴ・デッラ・ヴァッレさん、格闘家のブルース・リーさん、初代タイガーマスクの佐山サトルさん。 スポーティでエレガントなイタリアンスタイルを愛し、趣味はクルーズ(船旅)と日焼けとカラオケ。お酒をある一定以上飲み過ぎると、なぜだか一人感無量状態になって男泣きする小誌編集長。1973年、東京生まれ。
新年あけましておめでとうございます。あっという間に2019年に突入しましたね。
あ、そうそう、ようやく黒のスリーピースの着こなしの第3弾が書けました。随分と寝かせてしまい申し訳ありません。
はい、これがもっともカジュアルなコーディネイトであります。前回のスタイルからネクタイを外しただけのように見えますが、シャツはスポーティな雰囲気のものに替えているんです。では、その内訳を見ていきましょう。
アイテム
スーツ/guji
シャツ/カミチャニスタ
ポケットチーフ/ロロ・ピアーナ
ベルト/ジョンロブ
時計/ヴァシュロン・コンスタンタン
バッグ/エルメス
靴/WH
いや〜、長かった。当初の予定では間をおかずに3回連続で、同じスーツでも少しの変化で大きく雰囲気が変わるということをお伝えしたかったのですが、なかなか原稿を書く時間が取れず、年を越してしまうことに……。 できない約束はするものじゃないですね(涙)。
ということで、この企画をざっとおさらいすると……。
最初の起点はトレンドの“英国調”。その象徴ともいえるスリーピースをどうやったら、僕のほうに、そして東京流に引き寄せられるのかがテーマでした。そこで選んだのが、正統派から見ればご法度ともいえる黒。それをモードではなく、クラシックな雰囲気で着こなすというチャレンジです。
第1回はタイドアップした真面目なスタイル。続く第2回は足元を素足にスリッポンに替えてサングラスをプラス、さらに手にはエルメスのバーキンを持ってカジュアルにアレンジしてみました。で、仕上げとなる第3回はそれをノータイにチェンジ。堅苦しいイメージのあるスリーピースを、あえてリラックスした感じで着たかったんですよね。
クラシックの規範からは外れてしまうかもしれませんが、イメージは前回もお伝えしたファブリツィオ・コロナとか、有名どころではセルジュ・ゲンズブールとか?
ちょっと不良っぽくて、ルールなんて完全に無視。ちょっとだらしなく見えるくらいのノンシャランな感じで、自己流に着ているんだけれども、何だかイイ雰囲気。それでいて色気というか、エロスがドバドバ溢れているというのが理想なんですよ。
ただね、ああいう人たちって、本当にテキトーに着ているんじゃなくて、隅々まで微細に計算された着こなしをしていると思うんです。もちろん、僕の勝手な妄想ですけどね。ルールはすべて知り尽くしたうえで、あえてハズしているから説得力があるんでしょうね。
そういったところを参考にしながら、このコーディネイトではネクタイを省いただけのように見えますが、シャツをストレッチ性のあるカミチャニスタの一枚に替えています。襟腰が高く、ノータイでボタンをふたつ外したときのバランスも良好。イタリアっぽい色気が出るんですよね。
それと、上着を脱いでシャツイチになるときは、ベストは着ないほうがカッコよく見えるというのが僕の持論。だからこそ、フィット感のあるシャツは重要なんです。バッグやベルト、時計などの金具がすべてゴールドなのもポイント。小さな部分ではありますが、こういう細部にエロスは宿ると信じています(笑)。
前にも書きましたが、黒のスーツはフォーマルな場面にふさわしい冠婚葬祭の印象が強いですよね。不適切な表現なのは重々承知しておりますが、この格好は告別式が終わった後に、疲れ切ってネクタイを外した感じ? 気が緩んだ瞬間、どうしても放たれてしまう色気ってあると思うんですよ。喪服がそうじゃないですか。エロスなんか絶対に出しちゃいけない場面なのに、ダダ漏れ状態ですよね(そう感じるのは僕だけでしょうか?)。かなりコアなシチュエーションを設定してしまいましたが、そういうのを計算してできるのが前出のファッショニスタたちなんです。
これにて、黒のスリーピースの着まわし連載は終了しますが、いかがだったでしょうか? 僕もこれはやりながら勉強になりました。何だかんだ言って、道半ば。今年も読者の皆さんのお役に立てるよう精進しますので、どうぞよろしくお願いいたします!
今回のスタイルのキモは……。
Photo: Ikuo Kubota (OWL)
Styling&Model:Yoshimasa Hoshiba
3冊目の書籍が発売されています。今回は、難しいとされる大人のカジュアルスタイルについて書いています。読んでいない方はぜひ!
干場義雅が教える
「究極の私服」
(日本文芸社)
2冊目の書籍は、色気についてです。 普通に見えて、なぜか人を惹きつける男の共通点について書いています。読んでいない方はぜひ!
一流に学ぶ
「色気と着こなし」
(宝島社)
1冊目は、スーツの着こなし術から世界の一流品選びまで、基本的なことやお洒落の本質について書いています。読んでいない方はぜひ!
世界のエリートなら誰でも知っている
「お洒落の本質」
(PHP出版)
【エロサバ】-Hoshipedia
「エロサバ」とは、エロいコンサバの略で、干場の哲学により生まれた造語。シンプルでベーシック、コンサバティブな洋服を着ているのに、なぜかエロく見えるスタイルのこと。例えば喪服の女性。成熟した大人の女性が喪服を着ていて、メイクもナチュラルで抑制しているのに、不思議と色っぽく見えるスタイル。例えば、普通の白いシャツを着ているのにも関わらず、胸元のボタンの開け方や袖口のまくり方でSEXYに見えるスタイル。粗悪な素材でデザインが変わっているシャツでは駄目。上質な素材でベーシックなシャツだからこそ、崩して着こなしても上品さが保てるのです。男性で例えるなら、仕立てられたグレーの無地のスーツを着て、上質な白シャツに黒の無地のネクタイのような極めてコンサバティブなスタイルをしているのに、内側から大人の色気が香るスタイルのこと。
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