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シエスタって何? その効果と正しい昼寝の取り方を徹底解説!

2018.9.25 2018.9.25
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2018.9.25

全国FORZA読者の皆さまの中で、昼過ぎあたりに襲来する眠気を味わったことがない、という人はいないでしょう。特に昼食後、13~14時の局地的な耐え難い眠気……。

そのジャストな時間帯に休憩をとる、というなんとも夢のような文化が海外には存在します。それが シエスタ 。ご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回はこのシエスタについて徹底解説いたします!

シエスタとは?

シエスタ(西:siesta)とは、スペインの習慣の一つで長いお昼休憩のことを指します。昼寝という意味ではなく、昼帯に休憩をとることを意味するので、昼寝をしなくてもシエスタです。スペインの人々は伝統的に、お昼の13~16時頃までの間に2時間ほど休憩をとり、昼食をゆっくり楽しみ、昼寝をして午後の仕事に戻るというスタイルで働いていました。このシエスタは国全体の習慣なため、昼過ぎになると飲食店以外のほとんどのお店がクローズしてしまい、通りにいるのは観光客だけ……なんて状態になります。

●発祥したワケ

シエスタと聞くと怠けている、生産性が低いと感じる人もいるかと思いますが、この習慣の発祥にはスペインの地理的・文化的背景があります。

スペインは夏季の日差しが非常に強く、暑さのピークがくる昼過ぎは直射日光が痛いくらい。この時間に活動することは非効率的であり、休息を取ることは決してただの怠惰ではありませんでした。また、スペインは日照時間が長く、夏では日の出が6時半頃、日の入りが10時近くになります。活動可能時間が大変長いため、一日の間で長めの休憩を取る必要がありました。夜が長いので実質的な就労時間は8時間ほどと、さほど他国と変わりません。

そして加えて大きな理由がもうひとつ。スペインでは1日5回食事をとる文化があります。そしてその中でのメインはなんといってもランチ。彼らは日本人が夜ごはんを家族とゆっくり過ごすのと同じように、昼食は一度家に帰り家族で集まります。フルコースをしっかりと食べ、家族や友人と会話を楽しみながら2時間ほどかけてランチタイムを過ごすのです。そのためシエスタがこの時間に充てられています。ちなみにランチの時間は14時頃で、一般的な飲食店もランチタイムは13時頃からオープンするのが普通だそう。ディナーの時間も遅く、店がオープンするのは21時頃、特別な日は23時からディナースタートというのも珍しくないとか。

このような理由から、スペインではシエスタが習慣として深く根付いているのです。

●シエスタのある国

シエスタのような長い昼休み(休憩+昼寝)が社会習慣化している国は、スペイン語圏を中心に世界30カ国以上あります。主な国は、かつてスペインの植民地だったアルゼンチンなどの南米やフィリピンなどの国々。地中海沿いのギリシャや、アジアでもインドや中国の暑い地域や台湾でも似たような習慣が存在しています。

●日本では

日本では、2014年に厚生労働省が「健康づくりのための睡眠指針2014」を発表し、積極的に昼寝をとることをよしとしています。この指標には「午後の早い時刻に30 分以内の短い昼寝をすることが、眠気による作業能率の改善に効果的」という記載があるのです。実際に昼寝制度が普及しているわけではありませんが、いくつかの企業がシエスタ制度を導入しています。

13時から16時まで原則就労禁止とし、社員全員で昼寝をしている企業もあります。2016年には兵庫県の中学校が生徒たちの希望によりシエスタの実験的導入に取り組んでいます。まだまだ全国普及には及びませんが、少しずつ昼寝の重要性は広まっており、最近ではお昼寝カフェや昼寝グッズなどが人気を浴びています。

●現在では廃止?

現在のスペインでは、近代化が進んだ都市部でこの伝統習慣はなくなりつつあります。国際社会と足並みをそろえ競争力を高めるため、大手企業がシエスタを廃止するようになったからです。2006年には公務員のシエスタも廃止され、国が正式に自国の伝統を廃止したとして話題になりました。

シエスタが制度として廃止される前でも、この文化はじわじわと廃れてはいました。自宅と勤務先が離れ、昼休みに一度帰宅することが困難・面倒になっていたからです。それでも長い昼休みをとる習慣は続いていましたが、現在では多くの企業で昼休みは1時間程度におさまっているようです。昼過ぎにクローズせずに、一日を通して営業し続けている店も増えています。

スペインのこのおおらかな習慣が失われると思うと物寂しいですが、それでも地方の小さな町や個人商店などは今でもシエスタは健在で、スペインの大事な伝統文化であることに変わりはありません。

シエスタ・昼寝の効果

そんなシエスタですが、スペイン全土で長らく社会習慣として根付いていただけあり、健康的にも作業能率的にもちゃんと意味があります。ここでは、その昼休憩の中でも 午睡・昼寝 をメインにとりあげ、その効果をご紹介します。

① 脳が活性化し、集中力アップ

一番の効果がこれです。昼食後は気温の上昇や食事による体温の上昇なども影響し、眠気に襲われてパフォーマンス力が低下する時間帯です。また、前述した厚生労働省の「健康づくりのための睡眠指針2014」によると、「起床後15時間以上では酒気帯び運転と同じ程度の作業能率、起床後17時間を過ぎると飲酒運転と同じ作業能率まで低下する」とあり、昼寝せず仕事を続けると、夜20時過ぎ頃にはまともに頭が働く状態ではないということになります。

眠気の来る昼過ぎに睡眠をとり休息することで、午後からはリセットした状態で作業効率が復活し、脳の再活性化が見込めます。

昼寝は集中力や記憶力、情報保持能力などの精神能力のアップに直結するのです。

②ストレスの解消

忙しくなってだんだん疲れてくると、脳にストレスがたまり、キャパオーバー状態になってしまいます。健康を害するストレスホルモンも分泌されてしまいます。ここで昼寝をとることで、外部の情報をシャットアウトし、あっぷあっぷしている脳を落ち着かせ、クールダウンさせることができます。

③ 体力の回復

カルフォルニア大学の心理学者、サラ・メドニック氏は「1時間半の昼寝は一晩の睡眠に値する効果をもたらし、20分の昼寝は一杯のエスプレッソより勝るリフレッシュを与える」と提唱しています。たった午前中だけでも、確実に体力は奪われているため、昼寝をとることで体力が回復し、リフレッシュして午後の活動にのぞむことができます。アスリートに至っては、昼寝でのスタミナ回復による身体的能力の伸びも確認されているほどです。

④ 睡眠負債の解消

睡眠負債とは、毎日必要な睡眠時間をとれず、睡眠不足が蓄積した状態のことをいいます。いわゆる寝不足ですね。この状態になると、脳の活動が低下し作業効率が落ち、仕事のパフォーマンス力が低下します。また、この睡眠負債は、疲労がたまった状態でもあるため、必要以上に疲れを感じてしまいます。

足りない睡眠時間は、睡眠の質を改善したり、日中に昼寝をとったりすることで補うことができます。残業や飲み会、夜更かしなどで睡眠時間が足りなかったと感じた日の翌日は、昼寝をとり、その日中に睡眠負債を返済できるようにしましょう。放置しておくと、ずるずると引きずってしまい、長期的な睡眠不足にもつれこんでしまいます。

⑤ 病気から逃げる

昼寝は健康そのものにも効果を発揮します。たとえば、昼寝を取ることで身体が休まり一時的に血圧が下がるため、それが高血圧の予防となり、心臓病や脳梗塞、糖尿病などの防止につながります。そもそも睡眠不足は心臓の負担になるため、昼寝をとり睡眠不足を軽減することで、将来的な心臓病の予防につながるのです。

やり方

不適切な昼寝は逆効果になりかねません。早速、よい昼寝のコツを見てみましょう。

>時間

昼寝をとるうえで最も重要なポイントは寝る時間です。この最適な昼寝時間は、15~20分とされています。

睡眠には、身体的に眠るレム睡眠と、脳が眠るノンレム睡眠の2種類あります。まず脳を休ませる軽いノンレム睡眠に入り、続いて情報整理などを行うレム睡眠に移行します。昼寝で必要なのは脳のリフレッシュですので、ノンレム睡眠だけで十分です。30分以上の睡眠は、深い脳波のデルタ波が発生してしまい、ノンレム睡眠の最終段階、レム睡眠の一歩手前段階の深い眠りについてしまいます。これだと夜の寝つきが悪くなったり、起きるときに大きく認知能力が低下しボーっとしたりしてしまいます。

短時間の昼寝ではあまり意味がないのでは? と感じるかもしれませんが、この軽い段階のみの睡眠でおさえることで、熟睡に至らずして十分な休息がとれ、脳の疲れが回復でき、すっきりと目覚めることができるのです。

>時間帯

実際に眠気が襲ってくる14時~15時に仮眠をとることが望ましいといえます。ただ、16時以降に一定時間以上の仮眠をとると、体内時計のリズムが崩れたり、夜寝つきづらくなってしまいます。昼寝は16時前までに済ませましょう。

また、日中の眠気は、前夜の就寝時刻からおよそ15時間後にピークがくるよう体内時計のリズムが働いています。個人差はありますが、基本的にはこのタイミングで仮眠をとると綺麗に眠気が解消できます。

>姿勢

ベッドやソファなどに横になって……としがちですが、これはNGです。正解は、椅子に座ったまま仮眠をとる、です。机に突っ伏してもいいですが、座ったそのままの姿勢で頭がグラグラしないよう首枕などで固定・サポートをし、垂直を保てるとベストです。

>起き方

寝る直前に、コーヒーなどを飲みカフェインを摂りましょう。カフェインの効果が出るのは20~30分後ですから、ちょうど起きる時間に効果が出てスッキリと起きることができます。

また、慣れないうちはアラームをかけ、きちんと時間通りに起きましょう。寝る前に、「○分後に起きる」と頭の中で3回強く反復すると、脳が覚え、目覚めやすくなります。起きた後は、肩を回したり指を動かして軽く運動し、血の巡りを良くしましょう。日光を浴びるのもオススメです。

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