ギャップを味方につける休日のモテコーデ
いい歳してトレンド満載で頑張り過ぎに見えるのはなんとしても避けたいけれど、なんとなく時代の気分は捉えていたい。でもって、無造作な感じにリラックスして見えるのに、だらしないわけではなくて清潔感は感じさせたい。そんなワガママな要望に応えたのが今回のコーディネイトです(笑)。休日のスタイルの参考にぜひ!

アイテム
コート/ブルネロ クチネリ
カーディガン/クルチアーニ
Tシャツ/Gap
パンツ/ナンバーエム
サングラス/プラダ
時計/セイコー
ブレスレット/SIMPATHY OF SOUL×Yoshimasa Hoshiba
スニーカー/パトリック
(すべて干場私物)
トレンドの“アスレジャー”に感化されたわけじゃないんですけど、最近はどこかにスポーティな要素を取り入れたコーディネートがお気に入りなんです。自分でもなぜなのか?と、ずっと考えていたんです。で、やっと理由がわかりました。僕、頚椎椎間板ヘルニアが癖になっていて、それってショックなことに老化現象による機能低下が関係しているんですよ。それで、何もしないと衰える一方だということを悟って、40代半ばにして一念発起。ようやく健康志向に目覚めて、腕立て伏せなんかの筋トレをするようになったんです。そしたらですよ、体型が徐々に変わっていくではありませんか! 上腕二頭筋が大きく太くなって、胸板もAカップぐらいに厚くなって……(笑)。

そんな変化にめっきり気を良くしてしまい、この夏はGapの白Tがコーディネイトの軸に大躍進。スポーティに振るようになったそこからですよね。以前は、ライン入りパンツはちょっと派手になり過ぎる気がして敬遠していたんですが、ナンバーエムのこれは伸縮性のある素材使いで異常なほどはきやすい。ロールアップして短めの丈にしてみたら、すごくしっくりきたんです。足もとに合わせたパトリックの厚底クルーズラインとも相性がいいですしね。

これだけだと、単なる爽やかなスポーツマンになってしまうんですが……、やっぱりエロサバなので、エロスは欠かせません。エロスのキモは、このカーディガン。素材はカシミア70%にシルク30%のブレンドで、触れるとめちゃくちゃ気持ち良いんです。柔らかくてヌメヌメしていて、着ると、色白の餅肌の美女に抱かれているような気持ちになるというか、自分で自分のことを抱きしめてしまいたくなるというか。そうわかりやすく言うと、包容(笑)。
あまりに気持ち良すぎて、カーディガンは2枚、クルーネックは1枚、タートルは3枚買ったほどですから……。ジャケットでもいいとは思うんですけど、エロさが感じられるのってふとしたときに身体のラインが見え隠れしたときかな、と。
こういう意味では、このカーディガンは抜群の仕事をしてくれるんです。トロミのある素材感が、鍛え抜かれた男の肉体の上をすべるように流れていき……。リラックスしたシーンに、突然、ほとばしる緊張感。まるで雷に打たれたかのように、エロスに包まれた僕は、美女の前に降臨するのです。
あるいは、なにげなく腕を組んだときも、かなりヤバイでしょうね。“わたしったら、そんなつもりなかったのに(潤)”となる。

コートはあってもなくてもいいんですが、脱いだらすごい的なアピールがある一方、こういうコーディネートにテーラードを合わせるのって、意外性があってすごく洒落て見えるんですよ。クラシックな品の良さが加わって、それはそれでギャップを楽しめる。やっぱりギャップを味方につけるのが、“エロサバ”マスターへの近道だと思うんですよ。普段は強面なのに映画で号泣したり、クールに見えるのに甘党だったり……。そんなところに女子はキュンキュン来ちゃうと思うんです。そういうギャップをいかに日常の場面で演出するか。これ大事です。

あと、2ブリッジのサングラスもそうなんですが、こういう組み合わせって90年代の匂いがして大好きなんですよね。僕が敬愛するジョルジオ・アルマーニさんのスタイルに通じるというか。ネイビーと白だけで構成した知性を感じるコーディネートというのも、そんなアルマーニさんへのオマージュからなんです。ただ、爽やかに見せつつ、実際はエロい!というのは干場流。そのへんのアレンジはお許しください(笑)。
コートは100%カシミア製で、この軽やかさと柔らかさは本当に極上気分を味わえます。さっき、コートはなくてもいいと書きましたが、あるに越したことはありません。だって、このコーディネートは僕にとっての旅スタイル。このまま飛行機に乗れることを想定しています。だとしたら、コートはキャビン・アテンダント(CA)に預けますよね。彼女が手に取った瞬間、その素材の気持ちよさで、目がハートになること間違いなし。応用編として、レストランでも同様の効果が見込めます。で、結論を言います。素材がエロいんです! あからさまではなく、そこはかとなくエロスを漂わせる。これこそが“エロサバ”の極意なんです。
今回のスタイルのキモは……。
● ネイビーと白だけで構成して知性をアピール。
● スポーティなスタイルには鍛えた身体が必須。
● コーディネートのなかに、イメージのギャップを取り入れる。
● 素材の上質さこそが、エロスを感じさせるキモ。
● 常に美女の半歩先を行く、妄想をすべし。
Photo: Ikuo Kubota(OWL)
Styling&Model:Yoshimasa Hoshiba
3冊目の書籍が発売になりました。今回は、難しいとされる大人のカジュアルスタイルについて書いています。読んでない方はぜひ!
干場義雅が教える
「究極の私服」
(日本文芸社)

2冊目の書籍は、色気についてです。 普通に見えて、なぜか人を惹きつける男の共通点について書いています。読んでない方はぜひ!
一流に学ぶ
「色気と着こなし」
(宝島社)

1冊目は、スーツの着こなし術から世界の一流品選びまで、基本的なことやお洒落の本質について書いています。読んでない方はぜひ!
世界のエリートなら誰でも知っている
「お洒落の本質」
(PHP出版)

エロサバ-Hoshipedia
「エロサバ」とは、エロいコンサバの略で、干場の哲学により生まれた造語。シンプルでベーシック、コンサバティブな洋服を着ているのに、なぜかエロく見えるスタイルのこと。例えば喪服の女性。成熟した大人の女性が喪服を着ていて、メイクもナチュラルで抑制しているのに、不思議と色っぽく見えるスタイル。例えば、普通の白いシャツを着ているのにも関わらず、胸元のボタンの開け方や袖口のまくり方でSEXYに見えるスタイル。粗悪な素材でデザインが変わっているシャツでは駄目。上質な素材でベーシックなシャツだからこそ、崩して着こなしても上品さが保てるのです。男性で例えるなら、仕立てられたグレーの無地のスーツを着て、上質な白シャツに黒の無地のネクタイのような極めてコンサバティブなスタイルをしているのに、内側から大人の色気が香るスタイルのこと。

『FORZA STYLE』編集長
干場義雅
尊敬する人は、ロロ・ピアーナの元会長セルジオ・ロロ・ピアーナさん、ピエール・ルイジ・ロロ・ピアーナさん、トッズの会長ディエゴ・デッラ・ヴァッレさん、格闘家のブルース・リーさん、初代タイガーマスクの佐山サトルさん。 スポーティでエレガントなイタリアンスタイルを愛し、趣味はクルーズ(船旅)と日焼けとカラオケ。お酒をある一定以上飲み過ぎると、なぜだか一人感無量状態になって男泣きする現在44歳の小誌編集長。東京生まれ。
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