人気再燃! 紺ブレを格好良く着こなす干場流の 「エロサバ」テクとは?
今回は、90年代のスタイルが注目されている今、人気再燃の金ボタンの紺ブレを格好良く着こなす「エロサバ」テクをお教えしたいと思います。まずは、各アイテムの詳細はリンクを貼っておきましたので、そちらをご覧になってくださいませ。


アイテム
ブレザー/カスタムテーラー ビームス
シャツ/デッコーロ ウォモ
パンツ/ジェルマーノ
バッグ/エルメス
サングラス/レイバン
ブレスレット/s.o.s fp
靴/WH
(すべて干場私物)
最近、忙しすぎて、更新をサボっていまして申し訳ございませんでした。『FORZA』が好調になっていることはありがたいことなんですが……。週末はほとんど出張とイベントで休みが無い状態でして。原稿を書く暇がまったくないんです。この連載を楽しみにしていた皆さんには申し訳ない気持ちでいっぱいです。本当にすいません。そんなわけで、今回はとっておきの「エロサバ」の極意をご紹介したいと思います。
ちなみに、僕は男性の格好だけじゃなく、女性が着る制服の禁欲的なイメージからもアイデアを膨らませたりします(笑) 。そもそも「エロサバ」の「エロス」とは何なのか? 辞書を引くと、ギリシャ神話の愛の神とあります。では、「エロティシズム」とは何でしょう? 語源はエロスで、性的なイメージを意識的あるいは無意識的に喚起することをさす、とあります。そう、喚起ですよ、喚起。それが僕にとっては“制服”なんです。
OL、キャビンアテンダント、バスガイド、婦人警官、女医、看護婦に女教師……。女教師、これは制服じゃないですけどね(笑) 。やっぱり、なんといっても萌えるのは制服なんです。なんなんでしょう、あの制服の中に内包された禁欲的な感じ。あの抑えている、あのキチッとしている感じに“キュンキュン”としてしまうんです。制服は着ているけど、実際は違うんじゃないか? という想像力を駆り立たせてくれるのです。
女性も、パイロットや警察官など、制服姿の男性に萌えるという話を良く聞きます。制服というには摩訶不思議な魅力が備わっていて、男女関係なく惹かれるものがあるのです。
ということで、今回のこのコーディネイトは、そんなエロい制服を、僕なりにアレンジしているスタイルにしています。
題して、「トップガンの女教官×機動戦士ガンダムのマチルダ中尉」。←だいぶ、おかしな掛け合わせですが……(笑)。
どちらもストイックなミリタリーウェアをまとった姿が印象的なんですよね。映画『トップガン』でトム・クルーズと恋に落ちるセクシーな女教官を演じたケリー・マクギリスは、白シャツにタイトスカートの組み合わせに、MA-1やG-1などのフライトジャケットを無造作にはおった感じが、今でも目にこびりついています。
一方の、機動戦士ガンダムに登場する、マチルダ中尉はピシッとした詰襟の上着に白パンという出で立ち。これにもシビれました。
で、僕がそこから学んだのは、白を効かせた“エロサバ”のさじ加減。
ブレザーは15年前にカスタムテーラー ビームスで仕立てた8ボタンのダブルですが、今着るのはバランスが悪いと感じて、地元の中野にある浅野洋品店でお直しをしました。着丈を短くして、肩パッドをとってナチュラルショルダーに改良しています。デッコーロウォモのシャツは、ポロシャツと同じスポーティな鹿の子編みでできていて動きやすさは抜群。それにナポリのサルト仕立てを得意にするジェルマーノのパンツを合わせました。バッグはエルメスのバーキン。靴は、WHのタッセルスリッポンです。清冽なイメージの白にコントラストを効かせることで、エロ爽やかに仕上げました。
シルエットは全体的にコンパクトに。パンツの丈を短めにしてボリュームのある靴を選んだのもポイントです。それに、さりげなくデカバッグ。ボタンと胸ポケットに挿したサングラスで少しだけゴールドをまぶしたのも、ちょっと80年代チックでエロさを加速させます。

イタリアでは、リゾートのレストランやヨットレースなんかで、こういう格好をする人がすごく多いですよ。で、ほのかにエロい! このコーディネイトって、思い起こせば“渋カジ”の紺ブレ時代とあんまり変わってなかったりするんです。やっぱり、あの当時から好きなものって変わらなかったりするものなんですね。でも、サイズとバランスは、随時アップデートするのが大切。そうじゃないと、あっという間に古臭く見えてしまいますからね。そこには、いつも気をつけています。
もうひとつ、“エロサバ”の極意をいうと、僕の場合は男の人より女の人の格好に、圧倒的にエロスを感じるんですよね。で、男の自分なら、そのエロスをどうやって料理できるか考える。頭の中は、いつもそんな妄想で溢れ返っています。そして、このスタイルをすることで、どういう風に女性が考えるかを妄想するんです。
美女A 「あ〜、この人、白いパンツで清潔感があるわ。しかも、金ボタンの紺のブレザーだなんて、超王道だわ→なんか制服っぽさを感じるし……→もしかして船長? →いや宇宙戦艦ヤマトなの? →そうだわ、船のキャプテンに見えるのかもしれないわ→そうね、きっとそうよ。なんだか雄々しいわ→そして猛々しい→でも、バッグはエルメスのバーキンってどういうこと? 女性モノでしょ? でも、良いものを知ってるってこと? →なんだか自分が見透かされているようでイヤだわ→でも、こういう超王道なスタイルが似合うってことは、普遍的で、愛も変わらないから長く愛してくれそうね→気絶→昇天→降臨→誕生→芽生え! 」という図式になるのであります(笑)。
どんだけ、不思議な妄想やねん(笑)。
ということで、いかがだったでしょうか? 今回の、女教官とマチルダ中尉。女性の着こなしから、一旦、男性の着こなしに置き換えて、そこから考えるので、ひと手間多いんですよ。だから、ややこしくて気絶するんです。ただ、そうやって考えるのが、なにより楽しいんですよね。って、意味わかります? だんだん僕自身もわからなくなってきたので、いったん寝たいと思います(笑)。
今回はこの辺で。
今回のスタイルのキモは……。
● 紺ブレは、ナチュラルショルダーで、着丈が少し短めをえらぶこと。
● 色使いは、ネイビー、白、茶の3色で。
● 部分部分で、アクセントに金色を使うと、リッチな印象に!
● 合わせるパンツは純白のパンツ。秋以降は、オフホワイトにシフト!
● 白パンツは、プリーツ入りにすると今年っぽい印象に!
● 足もとは、タッセルスリップオンで真面目に。
●インナーを鹿の子織りのシャツにすると、エレガントなスポーティな印象に。
Photo: Ikuo Kubota(OWL)
Styling&Model:Yoshimasa Hoshiba
3冊目の書籍が発売になりました。今回は、難しいとされる大人のカジュアルスタイルについて書いています。読んでない方はぜひ!
干場義雅が教える
「究極の私服」
(日本文芸社)

2冊目の書籍は、色気についてです。 普通に見えて、なぜか人を惹きつける男の共通点について書いています。読んでない方はぜひ!
一流に学ぶ
「色気と着こなし」
(宝島社)

1冊目は、スーツの着こなし術から世界の一流品選びまで、基本的なことやお洒落の本質について書いています。読んでない方はぜひ!
世界のエリートなら誰でも知っている
「お洒落の本質」
(PHP出版)

エロサバ-Hoshipedia
「エロサバ」とは、エロいコンサバの略で、干場の哲学により生まれた造語。シンプルでベーシック、コンサバティブな洋服を着ているのに、なぜかエロく見えるスタイルのこと。例えば喪服の女性。成熟した大人の女性が喪服を着ていて、メイクもナチュラルで抑制しているのに、不思議と色っぽく見えるスタイル。例えば、普通の白いシャツを着ているのにも関わらず、胸元のボタンの開け方や袖口のまくり方でSEXYに見えるスタイル。粗悪な素材でデザインが変わっているシャツでは駄目。上質な素材でベーシックなシャツだからこそ、崩して着こなしても上品さが保てるのです。男性で例えるなら、仕立てられたグレーの無地のスーツを着て、上質な白シャツに黒の無地のネクタイのような極めてコンサバティブなスタイルをしているのに、内側から大人の色気が香るスタイルのこと。
『FORZA STYLE』編集長
干場義雅

尊敬する人は、ロロ・ピアーナの元会長セルジオ・ロロ・ピアーナさん、ピエール・ルイジ・ロロ・ピアーナさん、トッズの会長ディエゴ・デッラ・ヴァッレさん、格闘家のブルース・リーさん、初代タイガーマスクの佐山サトルさん。
スポーティでエレガントなイタリアンスタイルを愛し、趣味はクルーズ(船旅)と日焼けとカラオケ。お酒をある一定以上飲み過ぎると、なぜだか一人感無量状態になって男泣きする現在44歳の小誌編集長。東京生まれ。