コスパと満足感を同時に満たしてくれる秀作
そろそろ自分らしい腕時計との出会いを真剣に考えている40男の皆様に、『FORZA STYLE(フォルツァスタイル)』がオススメしたい選択肢のひとつが“ヴィンテージウォッチ”です。
その世界は奥深く、手頃な価格で買えるコスパ重視の時計もあれば、果てはオークションで競り落とされる数千万円台の投機の対象となるプレミアムな個体が数多く存在します。実際問題、ヴィンテージって聞くと妙に敷居が高く感じられたり、あまりの人気から偽物が出まわっているグレーな世界であることは否めません。それもあって、どうも二の足を踏んでしまっている方が大勢いるかと思います。
そこでこの連載では、ウンチクに寄り過ぎず、今どきのファッションにもしっかりとハマる腕時計であることを前提にしながら、絶対にはずさない名機の購入ガイダンスを中心に、さまざまな角度からヴィンテージウォッチの魅力について触れていきます。
前回のクロノグラフと同様、ヴィンテージウォッチの一二を争うマニアックなジャンルがミリタリーウォッチです。ガチで戦争で使われていたことからも保存状態が厳しいものが多いので、良質な個体との出会いを大切にしながら探したいところです。
一部の超人気モデルを除けば、まだまだ価格がこなれているので、コンディションやオリジナリティは注意しながらも見た目重視で選ぶのもよさげかと思う今日この頃です(笑)。
そこで狙い目としてオススメしたいのが有名時計ブランドのミリタリーウォッチです。
ありえないほど値上がりしているロレックスの軍用「サブマリーナー」や絶対にハズさない安定した人気を持つIWCの「MARK11」などは別にして、価格的に買い求めやすい個体がいくつかあります。オメガはその好例でしょう。
このスモールセコンドの個体は、実はれっきとした軍用ってのがミソでして。スウェーデン軍に納品されていたレアなモデルです。さらに特筆すべきポイントが2点あります。
そのひとつは文字盤の作りです。ロレックスのスポーツウォッチなら100万出しても届かなくなってしまったミラーダイヤルが数分の1の価格で押さえられます。
ムーブメントも負けず劣らず名機を搭載しています。オメガのムーブメントを語るうえで絶対にハズせないのが通称“30mmキャリバー”の中でも傑作中の傑作と言われるCal.30T2PCは、抜群の精度に加え、シンプルかつ堅牢な設計であることからメンテナンス性にも優れています。
ちなみにこの個体は防水仕様でして、ヴィンテージのクロノグラフやミリタリーウォッチの弱点を幾分カバーしています。
これはあくまで一例ですが、有名ブランドがその威信かけて勝負したミリタリーウォッチは、シンプルで合わせやすいうえにコスパ的にも秀でています。なかでもオメガは、クオリティだけでなく、所有欲も満たしてくれるので狙い目だと言えるでしょう!
Photo:Yasuhisa Takenouchi
Text:FORZA STYLE