ポイントは、アッパーとソール、そして製法です!
とんでもない酷暑が続いたと思ったら、今度は各所でゲリラ豪雨…。狂ったような気温が落ち着くのはありがたいですが、予測が困難な局地的な大雨に見舞われると、着るものはもちろん、足元だって困る。
そんな突然の雨に襲われるのに備えるべく、履いておきたいのが防水性の高い靴。とは言え、基本 平日はビジネス仕様が必須で、ゴム長なんて履けませんから、第97弾ではゲリラ豪雨にも負けないビジネス靴をピックアップします。
もちろん重要なのは、雨を最も受けるアッパー。オイルドやシボ、ガラスなど防水や撥水性に優れた加工が施されたレザーや、起毛素材で雨ジミがつきにくいスエードを選びましょう。
続いてはソール。レザーソールは水が染み込みやすく、駅や建物内などコンクリートの床では滑るので注意が必要です。ラバーソールの方が安心ですし、ダイナイトやビブラムソールならグリップ力も高いので、滑りにくく安全です。
最後に、アッパーとソールをつなぐ製法。マッケイ製法の靴は、ソールから中底までがダイレクトに縫い合わされており、底面にステッチが露出しているものはラバーソールでも水が糸を経由して浸ってきてしまうので おすすめできません。
グッドイヤーウェルト製法の靴は、底面のステッチが内部とは繋がっていないので、底面から水が浸入する心配はありませんが、ゲリラ豪雨のような激しい雨で水分量が多い場合はコバとアッパーのすき間から浸ってくる危険性があります。
アッパーに接する部分を山状に盛り上げたストームウェルト製法、L字状に縫い付けられた幅広のウェルトを使ったり、アッパーを外側に折り曲げた上でウェルトを重ね合わせるノルウィージャン製法などは、グッドイヤーウェルト製法よりかなり防水性が高まります。
では話をクルリンパと戻して、ゲリラ豪雨にも負けないビジネス靴の投稿5選をご紹介していきます!
ジョンロブの「ウィリアム92」
まずは、「初」という言葉が絡んだ靴、オールデンの名靴、王道の英国靴、ホールカットの靴、足元を涼しげに見せる靴の回に続いての登場となる@sho.1588さんの投稿から。ジョンロブ(JOHN LOBB)の「ウィリアム92(William92)」です。
ジョンロブの名品の中でも、2020年に生誕75周年を迎える永世定番が「ウィリアム」。
1945年に、稀代の洒落者として有名なウィンザー公(エドワード8世)がビスポークしたシューズを起源とし、修道僧が履くシューズであるダブルバックルに、アビエイターブーツからインスピレーションを得たエッセンスを取り入れてデザインされています。
ミリタリー由来で、カントリーシューズからのインスパイアでダブルソールに仕上がっているにも関わらず、ストレートチップなためドレッシーな表情。さまざまなエッセンスを巧みに織り交ぜているバランスの良さで名品と評価されています。
@sho.1588さんの「ウィリアム92」は75周年の際、1992年に登場した前作『ウィリアム』にオマージュを捧げ、復刻したモデル。
当時使用していたシボ革のカントリーカーフを継承し、各所のステッチにはアイボリーを採用することでカジュアルな雰囲気に仕上げています。
撥水性の高いシボ革に加え、ラバーソール「ライト・ウェイト・ウォーキング・ソール」のため悪天候でも問題なく履けますが、雨の日に「ウィリアム92」を選ぶなんて相当に贅沢。羨ましいです。
@sho.1588さんは靴選びの審美眼も素晴らしいですが、パンツの丈がいつも絶妙! 参考にさせて頂いてます。