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【オトナのギャンブル対談】井川意高× 元SONYのギャンブラー「日本よ、カジノに備えよ」

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いまだから話せる 106億円”熔かした”カジノの魅力とは?

ギャンブル。それは「運に挑戦する行為」であり、日常では得られない高揚感やスリルに満ちた大人の遊びです。文豪ドストエフスキーも、現代でいう”ギャンブル依存症”であったと考えられています。

——私の手の中には、ものの5分くらいの間に、かれこれ400フリードリッヒ・ドルばかり流れ込んだように思う。そのとき帰ってしまえばよかったのだが、私の心の中には何かしら、奇妙な感じがわいてきた。それは、運命への挑戦とでもいったようなもので、運命の神の鼻を爪ではじいてやりたいような、舌でもぺろりと出してやりたいような気持ちなのだ。『賭博者』(新潮文庫/米川正夫 訳)——

カジノ法案(IR推進法案)が成立した日本には、近い将来大型のカジノがオープンします。私たちは未体験であるカジノとどう向き合うべきなのか。依存症や治安の問題、その作用反作用のすべてを、人生をカジノに賭けた二人の対談で掘り下げていきます。

プロフィール

井川意高(イカワ モトタカ)
1964年、京都府生まれ。東京大学法学部卒。1987年、大王製紙に入社。2007年より大王製紙取締役社長に。同会長時代、カジノでのギャンブルに使用する目的で子会社から総額106億8000万円の資金を借り入れ、2011年会社法違反(特別背任)の容疑で東京地検特捜部に逮捕される。2013年6月、懲役4年の実刑。2016年12月14日、喜連川社会復帰促進センターから仮釈放。著書「熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録」(双葉社)。

松井政就(マツイ マサナリ)
作家。1966年、長野県に生まれる。中央大学法学部卒業後ソニーに入社。90年代前半から海外各地のカジノを巡る。2002年ソニー退社。主な著書に「本物のカジノへ行こう!」(文藝春秋)「賭けに勝つ人嵌る人」(集英社)。「カジノジャパン」にドキュメンタリー「神と呼ばれた男たち」を連載。「夕刊フジ」にコラム「競馬と国家と恋と嘘」「カジノ式競馬術」「カジノ情報局」を連載。最新刊「大事なことはみんな女が教えてくれた」(PHP文庫)

井川氏 (以下、井川):松井さんのカジノ歴はどのくらいですか。

松井氏 (以下、松井):始めたのは26歳の頃くらいで、今50歳なのでおよそ23〜4年ですね。

井川:私は今25歳の娘が小学校に上がる前の年からだから、だいたい20年くらいですね。

松井:ということはお互いだいたい同じぐらいの年月を、カジノの中で過ごしているんですね。

井川:私は最初、友人夫婦に誘われて、GWにオーストラリアのゴールドコーストのコンラッド ジュピターズでやりました。100万持って行ったら3日間で2000万になっちゃったんですよね。それで味をしめてしまって、典型的にはまりましたね。

編集 makiko (以下 makiko):その時は何で遊ばれたんですか。

井川:バカラです。私はだいたいバカラで調子悪いと、気分転換にちょっとだけブラックジャックやったり、ルーレットやったりします。

松井:ルーレットもされるんですか。

井川:少しだけですが。

松井:僕はカジノのやり始めがルーレットだったんです。当時僕はSONYのサラリーマンでお金もありませんでしたからね。でもなかなか当たりませんでしたね。

井川:私がルーレットをやる時は日本でいう”手本引き”ですよね。つまり、次にディーラーがどこを狙っているかを考えてやっているんで、ディーラーが玉を回すまでは張らないで目を見てます。ディーラーが連続して出そうとしてるな、そろそろゼロを出すんじゃないかななどと読みながら、狙ってやってました。だからといって勝てるわけでもないですけどね。

松井:ディーラーは、やろうと思えば狙った目を出せますからね。

井川:ほぼ出せますね。別にそれがイカサマとかではなくて、それを見越してやるんですよ。

松井:たくさん勝っている人がいるとテーブルが盛り上がって、ディーラーはチップで儲けられるのでそういう人を勝たせる場合もありますね。たまにカジノの初心者が「自分が連続して勝ったらわざと負けさせられた」というようなことを言いますが、それはありえないですね。

井川:絶対ないですね。ディーラーやカジノは自分の利益を最優先に考えますから。

makiko:では、一番ディーラーの手が読みにくいのは何ですか。

松井:ディーラーが関係してくるのはルーレットだけですね。ディーラーは基本的にゲームを進める係員にすぎません。ブラックジャックやバカラでは”シュー”といわれる箱からカードが順番に出てくるんですけど、ディーラーがイカサマできないようになっています。箱に詰められた時点で運命はある程度決まっているといっても過言ではないですよね。

makiko:では、バカラやブラックジャック、他のカードゲームも勝率は同じということですか。

イカサマはあるの?親は必ず勝てるの?

松井:いや勝率に関しては別の話です。勝ち負けに付く配当は最初から決まっているんですけど、勝てるかどうかはその時の運ですね。

makiko:すごいですね。お金を運に張るという。

井川:“運試し”なんですよ。よくカジノがイカサマをしているんじゃないかというのは、欧米系のカジノだとまずないですね。絶対ない。

松井:絶対ないですね。

井川:フィリピンやマレーシア、あるいは韓国あたりでは微妙ですけど、多くのカジノは、上場している会社がライセンスを取ってやっているので、イカサマなんか決してしません。マリーナベイサンズを建てるのに数千億かけているのに、カジノ側がイカサマをしたら、その時点でライセンス取り上げられて数千億がパァですからね。むしろ、そんなことしなくても勝手に客は負けてくれますから(笑)。

松井:ゲームの配当自体が厳密に数学上の確率で計算されてるので、たくさんの回数をやると必ず客が負けるという結果になってくるんです。

makiko:なるほど、では将来日本にカジノがきたらパチンコよりも、カジノの方がもしかしたら勝てるかもしれないんですか。

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