「義両親は悪い人ではないと思いますが、うちの教育方針には無頓着、という感じ。それが元で、最近ついに衝突してしまいました…」
息子を預ける際には、気を遣ってお弁当やおやつを持たせていたが、いつのまにか義両親は勝手に息子に「他のおやつ」を買い与えていたそうだ。
義両親は教育や健康のことなどは毛の先ほども考えないタイプ。息子に好かれるためだけに好き勝手に食べ物を与えている、と舞美さんは言う。
「私は何事も計画や目標を立てないと頑張れない性格なので、子どもの食事についても生まれた頃からいろいろと考えてきました」
離乳食も手作りにこだわり、野菜を多めに、一度にたくさんの品数を作って冷凍し続けた。その甲斐あってか、息子さんは離乳食期を終える頃には、大の野菜好きになっていたそうだ。
「理想どおりの展開で嬉しかったです。このまま油っこいものや添加物の多いものはできるだけ後ろ倒しにするぞ、と心に決めて…。
周りには、2歳でもファストフードを与えているご家庭もあったけれど、私は絶対に嫌なので頑張っていました」
小学校に入学するまではジャンクフードを食べさせないと決め、周囲のママ友にも意思を伝えてきた舞美さん。
「もちろんうちの両親や義両親にも言ってありましたよ。でも、義両親はそんなの全く気にかけていなかったということでしょうね…」
舞美さんが子どもの味覚の異変に気づいたのは最近のことだ。いつものように息子の好物の「ひじきの五目煮」を食卓に出したところ…
「食べないんです!ひと口も。あんなに好きだったんですよ。『え?先週もいっぱい食べていたよね?』って思わず大きな声で言ってしまいました。モリモリ食べていたブロッコリーにも手を出さなくて」
息子は、まだ言葉が得意ではないが、根気強く訊ねてみると「ポテト食べたい…」と告白。
舞美さんはその一言で、自分が知らない間に義両親が息子に「フライドポテト」を与えたことを確信した。
「顔面蒼白になりました。あいつら、やりやがったなって…」
息子の味覚は、その日を境に激変。野菜や薄めの味付けの和食を嫌い、「ポテトポテト!」と言うようになってしまった。
息子が義実家で洗脳されているとしか思えなくなってきた舞美さんが姑に電話で「フライドポテトを食べさせたんですか!」と抗議すると、姑の口からは驚きの発言が飛び出した。その発言の内容とは?
後編では食育に対する舞美さんと祖父母世代の考え方の相違や、義両親によるさらなる教育方針の無視・妨害について詳報する。
取材/文 中小林亜紀
PHOTO:Getty Images