怖がる子供を面白がって撮影した動画が今SNSを中心に物議を醸している。危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう話す。
「その動画ではゴム製のおもちゃに恐れ慄いている1歳くらいの女児が映し出されていました。親は楽しそうに見ている様子でしたが、批判の声が上がっているのです」。
虐待だ、いじめだ、そんな声が多いそうだ。
「思い返してみると怖がる姿を面白がる親。昔からありましたよね。やった方はいい思い出としているケースが多いようですが、やられた方はいつまでも忘れない。まさにいじめの構図と似ていますよね。ただ、その動画自体も生活の一部分を切り取ったもの。それを他人がここまでとやかく言う必要があるのかどうか、という視点もありそうですね」。
確かにそうとも言える。子供を取り巻く環境は、大きく変化をしている。そのひとつにSNSがあることは変わらない事実であろう。今回はそんな子どもの姿をSNSに掲載することについて、ある母親に話を聞いた。
-----------------
塚原恵さん(仮名・40歳)は、保育園に通う子どもを2人を持つ母親だ。
「子供がSNSに投稿されているのをみるとゾワっとしますね。どこでどう加工されるかわからないのに水着姿がとか平気で載せる親がいるので、本当にびっくりするんです…」。
そんな恵さん、この週末の運動会でも写真の撮り方、アップの仕方に疑問を感じたそうだ。
「園側からはSNSやネット上には公開しないようにとお達しがありましたが…。全然気にしていない人も多いのが現実です」。
昨今ではトラブル回避のために、撮影自体を禁じている園や学校も多い。
「友達の子供の学校は撮影許可所を首から下げた人以外は、禁止されていると聞きました。羨ましいと思いましたね。それくらい厳しくやらないとバンバンアップする人がいるんで…」。
実際、恵さんは昨年、勝手に娘が掲載された写真をアップしたママ友とトラブルになったらしい。
「徒競走のゴール付近で撮影した写真です。5人の同級生がゴールテープを切る瞬間を撮影したものを1人のママ友がなんの説明もなしにInstagramのストーリーにその写真をアップしたんです」。
恵さんはすぐさまやめてほしいと頼んだ。
「自分の娘だけが写った写真ならまだしも、他の4人に了解も得ずに勝手にアップするのはどうかと思います。でも聞き入れてもらえなくて…」
ーえー。24時間で消えるし、さほど写っていないからよくないですか?
こう返されてしまったらしい。
「ちょっと驚きましたね。嫌だと言われたんだから、削除してくれればいいのに。そんなことすらしてくれないなんて…」。
確かに写真はピントが完全に合ったものではなかったそう。
「それでも見る人が見れば誰かはわかります。それなのに勝手にアップするなんて…」。
食い下がる恵さんにそのママ友はこういったそうだ。