■歩道の走行は厳禁!!
電動キックボードは、道路交通法上の車両区分は「原動機付き自転車」。いわゆる「原付バイク」と同じカテゴリです。
そのなかで、一定の基準を満たすものを「特定小型原動機付き自転車」としたのが、2023年7月の改正道路交通法。「LUUP」などのシェアリングサービスの電動キックボードは、この特定小型原動機自転車の基準を満たしているものが多いようです。
基準の内容についてはここでは割愛しますが、免許が不要だとはいえ、カテゴリは原付バイクと同じですので、車道と歩道または路側帯の区別がある道路においては、電動キックボードは車道を通行しなければなりません。ただ、一定の基準を満たす特定小型原動機自転車は、自転車道も通行することができます。
特定小型原動機自転車のなかでも、最高速度表示灯を点滅させることや、6km/hを超える速度を出すことができないなどの基準を満たす車両は、「特例特定小型原動機付自転車」として、一部の歩道も通行が可能。「6km/hモード」の搭載があるなどの車両が該当します。ただ、どんな歩道でも通行できるわけではなく、通行できる歩道は「普通自転車等及び歩行者等専用」の道路標識が設置されている歩道に限られます。また通行する際には、歩道の車道寄りの部分を通行しなければならず、歩行者の通行を妨げることとなる場合は一時停止するなどの義務もあります。
■飲酒運転も厳禁!!
そしてもちろん、車両ですので、お酒を飲んでの運転は厳禁です。飲酒運転は、自転車においても禁止されています。運転者のみならず、車両に乗ってきた人にお酒を提供した人、お酒を飲んだ人に車両を提供した人も罰せられるなど、飲酒運転は絶対にしてはいけない悪質な犯罪。気軽に利用できる電動キックボードなら大丈夫、ということはありません。ちなみに、酒酔い運転は5年以下の懲役または100万円以下の罰金、酒気帯び運転でも3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。
■イヤホンもダメ!!
移動中はイヤホンが手放せない、という人は少なくないと思いますが、イヤホンをしたままで電動キックボードを運転することは、安全運転義務違反とみなされる可能性があります。
「安全運転の義務」とは、道路交通法第70条で定められているもので、「車両等の運転者は、(中略)道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない」というもの。具体的な記載はないですが、イヤホンによって周囲の音が聴こえづらい状態にあることは、この安全運転の義務に違反する、とされる可能性があるのです。
イヤホンに関しては、都道府県の道路交通法施行細則で具体的に禁止をしているケースもあり、違反とされれば反則金が発生する場合もあります。好きな音楽を聴きながら移動を楽しみたい気持ちもわかりますが、電動キックボードでの移動中は、すこし我慢しましょう。