道路を通行していると、アスファルト路面にへこみが生じている箇所に出くわすことがあります。「わだち掘れ」といわれるものですが、その部分だけへこんでいることで、通行するクルマの乗り心地は悪化します。雨天時には水たまりとなって水はねが起きたりするだけでなく、ハンドルが取られて進路が乱れる原因にも。なぜわだちはできてしまうのか。安全な運転方法についてもご紹介しましょう。
■交差点付近で発生しやすい
アスファルト舗装面にできた、道路延長方向に連続するへこみである「わだち」。ストップアンドゴーが繰り返される交差点付近で発生しやすく、クルマのタイヤから道路が受ける荷重が大きくなるため、重量車の多く走行する道路では特に発生しやすくなります。
また昨今は、夏の猛暑によってアスファルトが脆くなり、わだちが発生しやすくなっているともいわれています。このため、一般道よりもはるかにストップアンドゴーが激しい高速道路の料金所付近は、わだちの発生を防ぐため、アスファルトよりも頑丈なコンクリートが使用されています。
わだちが発生してしまうことは、通行するクルマの乗り心地が悪化したり、雨天時の水はねがひどくなったり、ハンドルがとられてしまうなどの影響があるばかりでなく、沿道住民にとっては、健康被害にもつながりかねない深刻な状況。
過去にJSCE公益社団法人土木学会が調査した結果によると、沿道住民からは「騒音」や「振動」「水はね」といった苦情が寄せられたそう。確かに、24時間わだちによる騒音や振動が続くことは、かなりのストレスだと考えられます。
そのため国土交通省では、わだち掘れに関する基準を設けており、特に交通量が多く路面へのダメージが高い高速道路の場合は、わだち掘れ量の基準を20~25mmとし、道路管理者が5年に1回以上確認し、適切に点検計画を作成する、としています。