■令和版エスカルゴはバッテリーEVが最適か
そんなエスカルゴを令和に復活させるならば、バッテリーEVにするのが最適でしょう。使い勝手のよさから、屋外イベントなどで活躍しそうなエスカルゴですが、バッテリーEVであれば、電力源として活用できますし、排ガスの心配がないため、人通りの多い場所でも気にすることなく出店することができます。バッテリー容量に関しては、一日の移動に要する電力と営業に必要な電力が持てば十分ですので、大容量のバッテリーを積む必要はなく、車両価格を抑えることもできます。
ボディサイズは、昔よりももう少し大きいほうがいいでしょう。現在の日産ラインアップにある小型商用車であるNV200は、全長4560mm×全幅1755mm×全高1855mmですので、当時のエスカルゴよりも2まわりほど大きなサイズとなります。
2023年1月の東京オートサロンに出展された、日産のコンセプトカー。車両後方には、ピアノを積んだエクステンションが接続されていた
商用車として、さまざまな用途に対応できるよう、いっそのこと、NV200のBEVである「e-NV200」をベースに、2023年の東京オートサロンに登場した「ROOX SUITE CONCEPT」風のデザインを採用するのが面白いかもしれません。
■真面目で高級感あふれるクルマばかりじゃ、つまらない!!
近年のクルマは、どれも完成度が高く、高級感にあふれている一方、どれも同じに見えるといわれることもあります。たしかに、昭和の終わりから平成の始まりにかけて登場したクルマは、出来の良し悪しはともかくとして、様々なアイディアに富んでいました。
2005年10月の第39回東京モーターショーで初登場した「PIVO」。ボール型のキャビンは回転できる構造をしていた
クルマ好きとしては、エスカルゴのような風変わりなクルマもたまにはみてみたいもの。令和版エスカルゴの登場に期待したいです。
2010年のパリモーターショーに登場した、日産のコンセプトカー「townpod(タウンポッド)」。とぼけた表情が実にかわいらしかった
Text:吉川賢一
Photo:日産自動車
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