タレントのフワちゃんが、X(旧Twitter)で不適切発言をしたことが波紋を呼んでいる。危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう話す。
「お笑い芸人のやす子氏のポストを引用する形で、発言をしたのがことの発端です。その発言は、誹謗中傷に該当しうるひどいものでした」。
やす子氏「やす子オリンピック 生きているだけで偉いので皆 優勝でーす」
フワちゃん「おまえは偉くないので、死んでくださーい 予選敗退でーす」
やす子氏「とっても悲しい」
真っ当な大人とは思えない発言に震える。
「フワちゃんは乗っ取りなどの否定はしておらず、謝罪のポストをしました。当該ポストはすでに削除されていますが、画像はインターネット上に溢れています。デジタルタトゥーはご存知の通り、消すことはできません」。
今回の件を見て思い出したのは、学生時代のいじめの構図だ。言ってはいけないことを言ってしまった方は謝れば、それで満足かもしれないが、言われた側は一生の傷になる。今回話を聞いたのは、昔いじめにあっていたと話してくれた40代の女性だ。
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野田夏さん(仮名・43歳)は、小学校、中学生時代、長くいじめを受けていた。
「思い出したくもない思い出ですし、実家を出てからというもの一度も戻っていません。あそこには、戻りたくない。それほどに、憎くて、辛い思い出です」。
今回その気持ちを話してくれたのには訳があるという。
「自分も子を持つ母になって、いじめがいかにいけないことなのか、きちんと大人が発言しなくてはいけないと思ったんです。娘が巻き込まれそうになったことも原因のひとつ。それから、大人になってもいじめをする人が絶たない現実も伝えたいと感じています。今回の事件というか不適切発言も本当にひどいもので、正直、見るのも嫌なくらいです」。
そんな夏さんの脳裏に焼き付いているのは、小学生時代のいじめだと話す。
「きっかけは、いじめのターゲットになっている子とおしゃべりをしたというよくあるやつです。クラスの目立つ女子とその取り巻きたちが、いつも誰か1人を標的にしていたんですよね」。
リーダー格は、基本的には見ているだけ。手を下す周りがエスカレートするその図式に恐ろしさを感じていたそう。
「本当に嫌いだとかそんなことは思ってないんですよね。そのときのノリみたいなものであんなひどいこと行ったり、やったりできてしまうなんて…。だいたいぽっちゃりしているとか、大人しいとか、何も言わなそうな子がターゲットにされていました」。
ある日、彼女がある本を読んでいたことをきっかけに夏さんは話をするようになる。
「私も好きな本だったからすごく嬉しくて、話しかけました。そこから私にターゲットが移るのはあっという間でしたね…」
学校に行くと上履きがない。体操着がゴミ箱に捨てられている、教科書にはひどい言葉が落書きされており、開くのもおぞましいくらいだったという。そんなある日のことだ。夏さんは生理になってしまい、洋服を汚してしまったそう。そのことがいじめっ子たちの格好の餌食となる。
「体操着に着替えたことでそれがバレてしまったんです」。