「これからは男に生活を依存する時代じゃないからしっかりと学をつけなさい、と言っていたのは亡くなった祖母ですが、結局頑張ってきても妙齢になれば『なに?子供を産まないのか?日本を潰す気か』と言われる。なんかおかしいですよね」
不妊治療を断り続けても、あの手この手で会うたび治療を求めてくる両親と義両親。梨央さんの心身は、最近彼らに拒否反応を示してしまう。
「流産したときは凄く残念だったけど、そのうちあなたが孫を産んでくれることがわかって本当に嬉しかった、と母は言います。あの時の期待感がずっと続いていると」
親たちはもう、娘の生き方や信念などどうでもいい。孫の顔を見るためならなりふり構わない。梨央さんは、はじめのうちは親たちに対し「申し訳ないな」という思いを持っていたが、近ごろ「孫要求モンスター」と化した親を徐々に軽蔑し始めている。
取材/文:中小林亜紀
PHOTO:Getty Images
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