母の死後、頑丈だった父は日に日に老化し、身体機能はどんどん低下。数年が経ち、最近ではテレビを爆音でつけ、あれがないこれを誰かが盗んだと大声で喚くようになった。
「調子が良いと手すり伝いに自力でトイレに行けますが、良くないと粗相することもありました。妻は教室で生徒さんが楽器を演奏している合間にかすかに聞こえる父の怒声が気になり、仕事に集中できないと訴えるようになったんです」
妻の負担の大きさを心配し、父親に施設入所を説得し始めるようになった英紀さん。しかし、父は頑として言うことを聞かなかった。
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