そんなIWCの銀座店と新宿店に次いで東京では3店舗目となる直営店が、今年の3月16日に表参道にオープン。「IWCの世界観を体感できる空間ですので、ぜひ干場編集長もおいで下さい」と誘われたこともあり、さっそく足を運んでみた。
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事前に「表参道の交差点の真正面です」と説明されたとおり、新店舗がオープンしたのは青山通りと表参道が交差するファッションタウンのど真ん中。表参道駅のA3出口を出れば雨に濡れる間もないほどの距離だ。
東京の新ランドマーク IWC表参道ブティック
たくさんの人が行き交う交差点から眺めると、屋上に掲げられたデジタルサイネージがひときわ目を惹き、新たな街のアイコンとも言える存在感を放っている。本日案内をしていただく表参道店のブティックマネージャーの森祐二さん曰く、店の前が待ち合わせスポットとして使われることもあるのだとか。
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森:IWC表参道ブティックにようこそ。本日はよろしくお願いします。
干場:今日は取材が楽しみでした。表参道のなかでも一等地ですし、絶対に迷わない場所ですね。
森:はい。原宿店ではファッション感度の高いお客様がやって来ることもあり、1階はその時々でフォーカスしている製品の世界観をコンセプチュアルに表現するギャラリーになっていて、今年はポルトギーゼに焦点を当てることになっています。
干場:今日はじっくり新作を見せてもらうつもりで来たのですが、早速お願いしてもいいですか?
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森さんに促されてショーケースと商談スペースが置かれた2階に上がると、まず最初に目に入ったのは表参道の夜景。続いてネオンの煌びやかさに馴染むかのような、美しいIWCのウォッチコレクションたちに目を見張る。フラッグシップショップ的な位置付けで時計技師が常駐する銀座店に対し、表参道店ではトレンドを踏まえたうえでより厳選したラインナップで出迎えてくれるそうだ。
ショーケースを一瞥した干場編集長がまず目を止めたのが、パーペチュアルカレンダーとムーンフェイズを搭載したコンプリケーションウォッチ。この新しい「ポルトギーゼ・パーペチュアル・カレンダー 44」は、2499年まで正確に日付を記録し、ダブルムーンフェイズは北半球と南半球の現在の月の満ち欠けを同時に表示させるのみならず577年につきたった1日分の誤差しか生まないという超高精度ぶりを誇る、IWCのマニファクチュールの精髄と呼べる機構だ。
また、それだけの複雑機構を搭載しながらも、あくまで華美になることなく落ち着いたデザインを踏襲しているのがIWCの真骨頂と言える。
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そして今回、奇しくも店長の森さんが干場編集長に紹介したかったのも、今年ニューモデル&カラーが一挙に登場したポルトギーゼなのだ。
そもそもポルトギーゼとはふたりのポルトガル商人が「マリンクロノメーターに匹敵する腕時計が欲しい」とIWCに依頼し、1939年に誕生したモデル。その初代モデルは精度を追求するために当時としては規格外の大きさを誇る40mm超えのケースに懐中時計用ムーブメントを納めつつ、普遍的でクラシックなデザインを盛り込んだIWCを代表する名作だ。
一日の時の流れに合わせたラインアップ
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当然ながら現行モデルでも精度への追求とケースデザインへのこだわりは健在で、自社製造のムーブメントを採用しながら、モデルによって40.4mmから44.4mmまできめ細やかにケースサイズを調整するのみならず、今季のモデルはさらに質感と性能を追求しているのだと言う。
そして、この今季登場したカラーもモデルも異なる4本のなかから最初に干場編集長が手に取ったのが、爽やかな青のカラーをまとったポルトギーゼ・オートマティック 42。リーフ針の長短針にスモールセコンドやデイト表示が美しくレイアウトされた1本だ。
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森:そちらはホライゾンブルーというカラーで、昼下がりの空をイメージしたお色になります。
干場:ポルトギーゼはビジネスクラスに乗った時にセンスのいい海外の方がさり気なくポルトギーゼを着けている印象があります。スーツに合うのはもちろん、Tシャツにシンプルなデニムにサラリと合わせてもカッコいい。
森:文字盤のアラビア数字がカジュアルな印象を加えてくれますので、様々なスタイルにも合うと思います。
80年以上のロングセラーを誇るポルトギーゼだが、今季登場したモデルは1日の時の流れに合わせて刻々と移り変わる空の色に着目したカラーをダイアルに採用。ひとつのカラーを仕上げるまでに60以上の工程を経て、透明ラッカーを15層も塗り重ねて完成される色合いは、目線の位置や光線の具合によってまさに空の色のように印象がガラリと変わる。
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干場:シルバームーンも単なる銀というよりももっとニュアンスがある淡い色合いに見えますし、オブシディアンもわずかにブラウンがかって見えたり、とても複雑な色合いなんですね。
森:何度も塗装を重ねているのに加えて、今季からダブルボックスガラスという立体形状のガラスを採用しているのも理由のひとつです。
干場:確かに横から見ると風防にヴィンテージウォッチのような立体感がありますね。
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そしてダブルボックスガラスの採用に加えてデザイン上の大きな変更点が、この大開口のシースルーバックだ。通常のシースルーバックでは金属枠にガラスをはめ込むことで裏蓋を仕立てるが、極限まで金属枠を限りなく薄く仕立てつつ4箇所のスクリューで裏蓋を止める方式によって、美しい仕上げのムーブメントを隅々まで見渡せるようになったという。
言い換えるとムーブメントの仕上げに対するIWCの自信の表れであり、サーキュラーグレインやジュネーブ・ストライプが施されたキャリパーが正確に動く様子は見惚れるほど美しい。また、見た目の美しさだけでなく3気圧から5気圧防水へと機能性も向上している。
干場:そういえばベルトの裏がオレンジなんですね。
森:はい。このベルトはイタリアの紳士靴メーカー、サントーニ社に依頼して仕立てています。
干場:なるほど。言われて見ればサントーニの靴のライニングと同じオレンジですね!
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新作ポルトギーゼの出来の良さに、真剣に悩みはじめた干場編集長。試すがめつ腕に当てながら所有した時のイメージを膨らませている。
干場:このなかだと一番クラシックな文字盤デザインで引き締まった印象のオプシディアンのオートマティック 40……、それにデューンのクロノグラフも上品で良いですね。文字盤とインデックスのカラーを合わせてあるので馴染みもいいですし、いい色合いだなぁ。
森:私も今日のグレーのスーツにその2本はよく似合っていると思います。
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「普段着ているスーツに合わせるなら」という観点から、干場編集長がデューンのクロノグラフとともに選んだのはシルバームーンのオートマティック 42。肩肘を張らずに身に着けられるステンレスケースを採用し、アラビア数字のゴールドインデックスが落ち着きと気品を加えてくれる1本。
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そして「もし予算を気にしなくて良いのであれば」という前提のうえで手に取ったのは、ポルトギーゼ・パーペチュアル・カレンダー 44。耐摩耗性に優れたアーマーゴールドの大型ケースにダブルムーンフェイズとパーペチュアルカレンダーを盛り込んだ、IWCの最新作にして技術力を象徴する1本だ。
腕時計サイズに込められたIWCの技術力と世界観にロマンに惹かれ、干場編集長もかなり真剣に悩み始めたが、各モデルに魅力を放つ複数のサイズやカラーがラインナップされているとなれば、やはり一度では決め切れないようだ。
しかし、表参道駅の正面にあるIWC表参道ブティックならば、他のショップやカフェを回るついでに足を運ぶのも容易なはず。干場編集長もスーツ以外の装いで再来店を約束していたが、FORZA STYLEの読者諸兄姉も何度も足を運んでじっくりと悩んではいかがだろうか。
住所:東京都港区北青山3-5-25 青山Sceneビル
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メール:boutique-iwc.omotesando@iwc.com
営業時間:土・日曜日 11:00~19:00
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【提供】
IWCシャフハウゼン : 0120-05-1868
Video : Naoto Otsubo
Video edit:Kabuto Ueda
Photo:Miyu Yasuda
Write:Shunsuke Hirota
Edit:Takayoshi Kawai