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「お金払って子供を預けてるのに、労力まで差し出せと?」 保育園の謎慣習【保護者の会】にママたちがブチ切れている理由。

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「卒園アルバム委員もかなり大変だと聞いていて、皆さん戦々恐々です」

卒園アルバム制作は、企画やお金の計算はもとより、業者が撮影した膨大な枚数から写真を選ぶなど、会議も実務も多く、負担が大きい作業なのだという。運動会やお遊戯会など、保育園はそもそも行事が多いのが一般的だが、それ以外に親が主体となる活動が必要なのだろうか。

「それ、私も聞きたいです。問題なのは、現状の見直しが全くない点です。うちの保育園は創立70年ほどの歴史があるそうですが、保護者の会の歴史も長いそうなんですね。二言目には伝統だからといいますが、とにかく何の疑問も持たずに、これまでのやり方を引き継いで同じように続けている意味がわからない。時代に合わせて柔軟に変えていこうという発想がないんです。でも、私もおかしいと思いながら長いものに巻かれてしまい、もう年度も終盤になってしまいました」

 

菜穂さんの子どもは年中なので、役員のまとめ役となり、なおかつ卒アル委員も兼ねなければならない年長生の親より負担は軽いというのだが、それでもイベントの企画や準備などはかなり大変だったのだそう。

「一番キツかったのはお祭りです。企画会議から準備はもちろん、当日は汗だくで作業をします。コロナ以前はもっと大変だったそうです。今年は時間を短縮して、人数入れ替え制で水風船釣りや射的を行いました。会議や買い出しのために有給使ったこともありますよ」

お祭りの次は通常「お月見」が控えているのだが、ここ数年はコロナの影響で取りやめているという。しかし、それ以外にもイベントはあるそうで……。

©Getty Images

「観劇会は、子ども向けの劇団とか人形劇団にオファーして日程や予算の調整をし、保護者や園児の出欠を調べて料金を徴収したり、当日の設営を手伝ったりしました。本当に大変でしたね」

観劇会はお遊戯会とは異なるものだが、そちらもコロナの収束を受け、一定の制約のなかで行事が復活したという。

「お遊戯会は子どもたちが演者になるイベントで、園の先生方が準備や指導をしてくださいます。衣装なども一部は負担しますが、基本的に先生が準備してくれるものです」

保育園主催の行事に参加するだけでも仕事を調整しなければならない保護者がいる一方、保護者主催のイベントに肯定的な人がいる現実も否めない。保護者の中には、役員の仕事を楽しんでいる人もいるのだとか。

「本心ではどう思っているのかわかりませんが、『文化祭みたいで楽しいよね?』と言っている人もいましたね。は? なんでお金払って子供を預けているのに、余分にお金を出して人形劇観て、さらに労力まで差し出さなくちゃいけないのって、私は思います」

菜穂さんはこの1年間、場合によっては仕事を時短にしたり、なんと有給休暇を保護者の会の仕事時間に充てたりしてきたというのだが…。

取材・文 中小林亜紀

▶︎後編に続く


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