A氏が昨年11月下旬に来店した際、いつものメニューであるヘッドマッサージをしながら年末のイベントについて話し合う。
——そろそろ忘年会ですね~。今年はコロナ帰省もないので職場の忘年会はパーッと開催するんじゃないですか?
「うーん……(笑)僕、会社でぼっちだから忘年会は行かないんだよね(笑)ほかにも予定がなくてね」
——(え?管理職なのに忘年会いかないとかある……?)そうなんですね~。じゃあ飲み過ぎることなく年末はゆっくり過ごせるじゃないですか!
「……会社の忘年会行かないから、美奈ちゃん僕と忘年会行ってくれない?最近接待で、美味しいしゃぶしゃぶ屋さん見つけたんだよね。そこ美味しかったから行こうよ!」
3年通ってくれているA氏から、プライベートの誘いを受けたのは初めてだった。
思い返してみると、A氏からあまり仕事の話や離れて暮らす子どもの話は聞いたことがない。人柄はいいのに職場で見せる顔はまた違うのかと疑問に感じながら、飲み会の誘いに少し困惑していた。
——(まあ、Aさんならずっと通ってくれているお客さんだし、楽しく飲めるならいいかな……。)
そう思い、プライベートで飲むことをOKした美奈さん。
まさかその「二人きりの忘年会」が、のちに大きな後悔をしてサロン運営を脅かすマズいことになるとは予想もしていなかった彼女。
後半では個人サロンで起こった人間関係のトラブルについてリポートしたい。
取材/文 錦城和佳
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