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LIFESTYLE 女たちの事件簿

「子供は授かり物」と疑わない60代母に「卵子凍結」は理解してもらえないのか?当事者たちのいうに言えない本音

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不倫や浮気、DVにプチ風俗……。妻として、母として、ひとりの女性として社会生活を営み、穏やかに微笑んでいる彼女たちが密かに抱えている秘密とは? 夫やパートナーはもちろん、ごく近しい知人のみしか知らない、女たちの「裏の顔」をリサーチ。ほら、いまあなたの隣にいる女性も、もしかしたら……。

タレントの指原莉乃さんが昨年、Xで卵子凍結済みと投稿したことが話題になった。卵子凍結という言葉自体が先走りして、まだ理解が追いついていないような風潮もある。

危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう話す。

「卵子凍結は卵巣から採取した卵子を−196℃超低温液体窒素の中で凍結し、長期間保存するものです。卵子は年齢と共に老化すると言われています。卵子の数はなんと体内にいるときから、既に決まっていて、増やすことはできません。それが年齢と共に減少していき、質も低下するため、卵子が若く、健康なうちに採取をしておくのです」。

卵子凍結保存はそもそも抗がん剤や放射線を浴びるなど、身体への負担が大きい治療を行っている女性が将来妊娠する力を温存するために行われてきた。これが医学的適応だ。それに対し、指原さんが行うような卵子凍結は、健康な女性が将来、妊娠するために行うもので、これを社会的適応と呼ぶ。

「アメリカではAppleやGoogle、Microsoftなど名だたる企業が福利厚生の一環として卵子凍結の費用を助成する動きが加速しています。日本でも2021年にメルカリが取り入れを皮切りに、サイバーエージェントや東京都などが助成を決めています。今後、さらに増えていくでしょうね」。

少子高齢化が叫ばれるなか、卵子凍結は妊娠へのひとつのルートだ。今回は卵子凍結を考えているある女性に話を聞くことができた。

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©︎GettyImages

畠山諒子さん(仮名・33歳)は、IT企業に勤めている。

「東京に出てきて、今年で16年になります。田舎より、水があっていると思いますね。毎日、楽しく働いています」。

仕事のキャリアも順調。パートナーと呼べる男性もいると話す。

「2年くらいお付き合いをしている人がいます。ただ、今は結婚とかは考えていません。大きなプロジェクトを任されることも多く、今は仕事に集中したいんです。ただ、いつかは子どもが欲しいという気持ちがあるので、卵子凍結を考えています」。

今のお給料であれば、費用の捻出も可能だという。

「採卵にかかるのは、30〜60万円くらいと聞きます。それ以外に保存の費用が年間5〜10万。保存する期間にもよりますが、私の場合長くても10年くらいだろうから、200万円あればなんとかいけるかな〜と。実際に卵子凍結をした先輩もいるので、いろいろと話を聞いたり、病院のオンラインセミナーなどにも参加しています。さらに東京都からの助成も発表されたので、早速申し込みをしようと考えていたのですが…」。

ここにきて、気持ちを削がれるようなことが相次いでいると話す。

「私自身は卵子凍結する意思に変わりはありません。でも周りの反応が悪くて、ちょっと気落ちしているところです」。

卵子凍結に対するイメージはさまざまだ。卵子が若いうちに採取しておくことは将来の自分への投資だと考える若者世代が多い反面、親世代には受け入れられなかったり、知識や認識が間違っている人も多い。

「私の母は仕事をしながら、子育てをしてきた人です。だからこそ、私が今は妊娠できないと思う気持ちをわかってくれると思ったのですが…」。

諒子さんが卵子凍結の話題に触れると母の顔が一変したという。



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