学校での問題がニュースで取り上げられることも少なくない。その一方で教職員が疲弊することも多くあるようだ。危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう話す。
「奈良県天理市では保護者対応専門の部署を設置することを明らかにしました。全国ではまだ珍しい例ですが、熱視線が注がれるでしょうね。クレームまがいの事案もあると聞きます。同市が教職員や保育士ら380人に行った調査によると8割が保護者対応に負担を感じているそうです」。
家でのトラブルを持ち込むようなケースもあるという。
「子どもが宿題をやらないと電話をしてきた親御さんがいると聞いたときには、驚きました。学校での暮らし以上に求められてしまうとなると先生もちょっと大変ですよね。一方で学校側の厳しいルールにも疑問を感じることも多いと最近は耳にします。ちょうどいいバランスを探すのは難しいですね」。
今回は学校でのあるルールについて、疑問を呈する女性に話を聞くことができた。
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近藤未来さん(仮名・41歳)は、2人の子供を育てる母親である。今、悩んでいるのが小学3年生の長男の担任とのトラブルだ。
「担任は50歳近い女性でした。晴れて4月からは変わるのでそれだけでもホッとしています。去年は散々な1年でしたから…」。
問題になったのは、算数の筆算の問題だった。
「息子は勉強が比較的得意な方です。特に算数は好きみたい。だから筆算のドリルを見たとき、すごく驚いたんです」。
ドリルには、−1の減点が散見されたという。
「ちなみにこのドリルは宿題用で、息子がやって私がまるつけをしたもの。その上から△を書き直し、ご丁寧に−1が書かれていたんです。私は一瞬、理解ができませんでした。一体何が減点なのか。もちろん答えは合っているんですから」。
息子に聞いてみると「定規を使わないから」とのこと。
「定規を使わないことで1点減点されるなんて、思ってもみませんでした。だって答えは合ってるんですよ?それなのに減点???ありえますか、そんなこと。確かに赤ペンでじょうぎとも書かれていました」。
とはいえ未来さんも働く母で忙しく、学校に連絡ができないまま毎日が過ぎた。
「一度話はしたいと思いましたが、なかなかタイミングが合わなくて…。あと数週間で個別面談があったこともあり、直接話をしようと考えていたんです」。
そして個人面談の日、返却されたテストを見て未来さんは唖然とする。