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【マックのカービィ転売に見る現実】あと一歩で不正に手を染めるところだった…ヘルビ転売の罠にハマりそうになった30代ママのリアルな告白

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「あの声で とかげをくらうか ほととぎす」 この世の森羅万象のウラ側を、FORZA STYLEの取材班が徹底取材。あなたの暮らしを守る、独自レポート。

3月1日発売のハッピーセットのおもちゃが物議を醸している。危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう話す。

「今回のおもちゃは、星のカービィの小さなぬいぐるみでした。なんと発売当日の11時に売り切れる店舗があるほどの人気ぶりだったよう。その背景にあるのが、転売です」。

発売直後から、フリマサイトには多くのカービィのぬいぐるみが出品されていた。実は今回の星のカービィのおもちゃは第2弾。第1弾は1週間前の2月23日に発売され、翌日には早期終了のお知らせが公式サイトに掲載されていた。

「実はSNSには、今回のように転売することで儲けが出る可能性のある商品を紹介しているサイトが多く存在します。なかにはその情報自体を販売しているケースも。転売の定義が曖昧になっていますが、そもそも転売は違法ではありません。転売とは一度買ったものをもう一度売るという意味なので、小売業も転売のひとつと言えます。ただし、定価を大幅に上回る価格で商品を転売するなど、違法性を問われるものがあることも事実です」。

今回はとあるグレーゾーンの転売をしそうになったという女性から話を聞くことができた。

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©︎GettyImages

近藤晴子さん(仮名・32歳)は、幼稚園と小学校に通う子どもを持つ母だ。今は専業主婦をしながら、在宅でさまざまな副業にトライしているらしい。

「2人目出産を機に仕事をやめました。それまでは正社員として働いていたんですが、夫が忙しいこともあり、ほぼワンオペ。2人を1人で見ながら、会社員として仕事をやっていくイメージが持てず、夫婦で相談をして一旦、辞めることに。落ち着いたら、また働こうと思っていました」。

ただ、夫の収入だけで切り詰める生活は思った以上にきつかったそう。

「夫の収入だけなので、もちろん今までより手取りが減ります。生活が苦しかったことも事実ですが、何より自分の収入がなくなった、その事実が1番堪えました。収入がなくなることで、自分に価値がないように思えてしまって…」。

晴子さんは精神的に追い詰められていったという。

「ワンオペで2人を育てることもかなりきつかったですし、社会的な繋がりが途絶えてしまったことで、鬱々としていました。1日中、大人と一言も喋ることなく過ごす日があるんですよ。考えられます?そんなとき、X(旧Twitter)に出会ったんです」。

このとき、晴子さんは救われた気持ちになったと話す。

「はじめは見る専でしたが、ある日、すごく共感する投稿を見つけたんです。私と同じようにワンオペで育児をしながら副業をする女性で、彼女の過去がまるで今の自分のようで…。彼女を追うようになり、少しずつリプライをしたり、交流が増えていきました」。

気がついたときには、フォロワーも200人にまで増え、晴子さんはXにのめり込んでいったという。

「子育ての合間というよりは、Xを見ながら子育てをしていたという感じです。その頃には、複数人とDMというダイレクトメッセージでやりとりをするまでになりました。子育てしかない私の暮らしに光がさしたとこのときは、思っていました」。

そんなある日、憧れの彼女からある副業を勧められる。

「その頃にはXを使った副業があるということもわかっていました。事実、それで稼いでいるフォロワーさんもたくさんおられて、そこに対する不信感は減っていたと思います。なかには危険な情報商材があることも理解はしていましたが、勧められたのは大手クラウドソーシングサービスなので安心して取り組めました。そこでアンケートに答えたり、インタビューを受けたりしながら、お小遣い稼ぎを始めたんです」。

ここまでの方法であれば、違法性はなかった。ところがそんな晴子さんに彼女は、もう少し稼ぎたくない?と甘い声で囁いたらしい。

「そこで紹介されたのが、通称ヘルビ転売と呼ばれるものです」。

ヘルビとはヘルス&ビューティーを略したもので、そのなかでもかなりグレーゾーンの転売があるようだ。

「定期コースに申し込むと初回限定で安くなるサプリやコスメがありますよね?あれを購入して、定価あたりで売るんです。差額を儲けにするってことです。もちろんその後、定期コースは解約します」。

実はこの転売は数年前から問題視されており、対策を進めている企業もあるようだが、未だにこの転売を勧める悪質なSNS情報やスクールがあるという。【後編】では、晴子さんが陥った転売の闇をさらに詳しく聞いていきたい。

取材・文/悠木 律



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