現在もオープン2シーターの最高峰として知られるメルセデスベンツ(メルセデスAMG)SL。その始まりは、カレラ・パナメリカーナ・メヒコやルマン24時間などの過酷なレースで活躍した300SL(W194)にある。
当初はワークス用のレーシングカーのみの予定であったが、レースの活躍を見た米国の富豪らの声によって、W198として1954年に市販化されることとなった。それと同時に登場したのが190SL(R121)だ。ちなみに、300SLはガルウイングのクーペが有名だが、1957年以降はロードスターに一本化されている。
元々がレース用に開発された300SLに対して、190SLは価格の面でも、整備の面でも大富豪でなくとも維持はしやすく、よって商業的に成功をおさめたといえるだろう。
300SLと190SLの溝を埋めるためか、2代目SL(W113)が1963年に誕生した。このモデルには、2.3ℓ直6の230、2.5ℓ直6の250、2.8ℓ直6の280が存在する。1971年まで販売され、日本でも大ヒットとなったR107へとバトンをタッチする。
そんな190と280のメルセデスベンツSLをドイツでフルレストアして、さらに内外装色の選択をはじめ、メッキパーツ、エアコン、パワステなど現代の装備を加えた、センスよきレストモッドをオーダーメイドできるABODA GARAGE(アボダ ガレージ)が東京・南青山に誕生した。
アボダ ガレージを立ち上げたのが、Francfranc(フランフラン)の創業者である髙島郁夫氏である。前述300SLほか、数台のヴィンテージカーを所有するカーエンスー髙島氏は、デフレの日本に飽き飽きし、夢のある日常を提案できないかと考えた。
「単なるラグジュアリーだと嫌味になるので、スマートラグジュアリーというコンセプトのもと、ホテルやラウンジなどアボダという名前でブランドを作ろうと考えました。その第一歩が車だったのです」と髙島さん。
フランフランを始め、数々のセンスあふれるブランド、プロダクトを提案してきた氏の集大成がこのSLには宿っている。価格は30万ユーロほどで、納期は約1年だという。古いSLのオーダーであなたのセンスを発揮してみませんか?
そんなフルレストア&オーダーメイドのSLを取材した動画もありますので、ぜひご視聴ください。