「前の部署は、小学生から高校生の子を持つママさんが多かったのですが、現在の部署でワーキングマザーは私だけ。急な休みで席を空けることが多いので、最初は仕方ない、お大事にと言われていましたが、休みが続くと歓迎されないのは当然ですよね。
責任のある仕事を任されることもないですし……。自分の仕事の6割くらいしかできないんです。カバーしてくれている他のメンバーに申し訳なく、むしろ私がいないほうが皆助かるんじゃないかと思うようになりました」
「仕事中、オフィスの電話が鳴るのがとにかく恐怖なんです。
『保育園かな......あぁまた皆に頭を下げて帰らないといけない』『もしまた呼び出されたら、かかりつけの病院は水曜が定休日だから他のところへ行かなきゃ』『薬の予備あったかな、おくすり手帳持ってきたっけ』など、考え事が尽きません。
不安から、あまり仕事に集中できなくなってしまうことも多いです。病児保育も利用していますが、インフルエンザのような伝染病のときは家庭保育しないといけません。お熱が出て迎えに行った際、保育士さんにムスッとした態度をとってしまう自分も嫌で......。
悪魔になったかのように泣き叫ばれながら座薬を入れて熱を下げ、翌々日に出社。けれどまた翌週には鼻水からの発熱。発熱している息子に罪はなく、一番辛いことは分かっているのに、まるで足かせみたいに感じてしまって。そんな自分に対する嫌悪感も大きく、本当に辛かったです」
さやさんは会社に自分の居場所がないように感じてしまうことと、独身時代と現在の働き方のギャップに苦しんでいた。
今の会社を辞めて自宅近くのスーパーでパート勤務をしようか悩んだこともあるという。しかし、昨今の物価の高騰や今後子どもにかかる教育資金を考えると、正社員を辞める選択肢は選べなかった。