加藤「実はグループ名をつけたという意識はまだないんです。というのも僕たちは、それぞれモデルとして長く活動しています。4人で踊ったり、イベントに出たりするのはあくまでも楽しく表現をするため。その延長線上に個々の活動の幅、そして可能性が広がるといいよねというスタンスです。グループとして売るために一緒にいるつもりはないんですよ」。
直樹「そういうこともあって、特に名前をつけるつもりはなかったんです。ただ予想以上にファンが増えたこともあって、ハッシュタグとして使っていた#おじさん劇場がなんとなく、ミスマッチに。ほら、劇をするわけじゃないないから。そんなときコメントにおじさん祭りだと書かれているのをみつけて、そこからおじさんフェスティバル、おじフェスに」。
TARO「活動がさらに盛り上がった後にグループ名が着くのが理想。だから今はまだ(仮)なんです」。
久保田「紅白に出場できた暁には、グループ名発表しよう(笑)なんて4人で冗談を言い合っています」。
ざっくばらんに話をしてくれた4人だが、各々がキャリア30年近い、いわばベテランモデル。実はこうやってコミカルに踊るようになった裏側には、それぞれある思いがあったんだそう。
久保田「コロナになって仕事が激減して、ものすごく考えたんです。モデル歴22年目に差し掛かり、そろそろ後輩に席を譲るべきなのかな?とか、そんな思いが頭をよぎることもありました。でも、待てよと。まだ攻めきれていないと思い直したんです。バラエティ番組の『プレバト!!』に番組出演を直訴する手紙をお送りしたのもおじフェスをスタートした頃でした」
久保田さんは、美大出身の技術を存分に発揮し、番組の名物企画でもある色鉛筆画に挑戦。そのうますぎる絵も話題になっている。
久保田「現状以上は衰退なりっていうじゃないですか。新しいことにチャレンジしていたいそういう気持ちがおじフェスを続ける原動力になっています」。
【後編】では、おじさん世代の直面する壁について、おじフェスにさらに迫っていきたい。
取材・文/滝沢 悠