コンビニは社会をうつす鏡と言われる。どの店にもトラブルメーカーな店員はいるだろう。
お客にとっては迷惑な話だが、一緒に働く人にとってはもっと厄介な存在だ。
危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏が言う。
「最近はモンスターバイトが話題になっていますが、少子高齢化の影響で若者世代の労働人口が激減し、バイトの成り手がいないのも原因の一つです」
今回は首都圏にあるコンビニオーナーの西川光輝さん(仮名・43歳)から、とあるモンスターバイトの話を聞くことが出来た。
「コンビニってだいたい人手不足なんです。学生バイトはいますが学校の授業や実習で来れないことも多い。そんな時は誰かが穴を埋めないといけません。急に出てほしいと言われ、休みがなくなることも日常茶飯事ですよ」
そんな時入ってきたのが、主婦の宮下杏里(仮名・29歳)だった。
1歳の子供がいる杏里は、毎日週5で8時間の勤務を希望していた。
「コンビニは不定期で入る人が多いから、週5で8時間ってめちゃくちゃ助かるんです。まぁその分変な人も多いんですけどね。まともな人はコンビニで毎日は働かないので…」
人手不足だったので、杏里はオーナーとの電話面接ですぐ採用された。
3日後からシフトに入り、一緒に働くことになった。
しかしすぐにスタッフの1人が常連のお客さんからこんなことを言われたらしい。
「なんであの子雇っちゃったの??本当に大丈夫??」
常連のお客さんの話によると、以前は別のコンビニで働いており、そこで大きなトラブルを起こしてクビになったそうだ。
「ちょっと気になったので暇な時間に話を聞いてみました。しかし、彼女の口から出てきたのは、前の職場の批判でした。オーナーが給料を払ってくれないとか、一緒にいるスタッフがタバコばかりでサボるとか。おじさんから体を触られるセクハラを受けたとか。そんな事が続いたので、お店は自分から辞めたと話していましたね」
以前の職場の批判が止まらない杏里。しかし、オーナーの西川さんからすると嘘をついているようにも聞こえた。いかにもうさんくさい雰囲気が漂っていたからだ。