2023年8月8日に日産が発表した「スカイラインNISMO」については、SNS上で賛否両論が巻き起こりました。その理由は、かつてのレースで活躍したスカイラインの証「GT赤バッジ」を付けていた点にあります。
ベースモデルの「400R」というネーミングも含めて、「ハコスカ人気に乗じすぎ」 「400RはR系のもの、V系には似合わない」、「GT赤バッチや400Rを復活させるなら、RBエンジンの復活とセットにして欲しい」などの意見がみられました。回顧主義に走ったようにもみえる日産ですが、それほど罪なことではないように思えます。
■変化するたび、批判にさらされるスカイライン
いつの時代もスカイラインは賛否の的になってきました。特に、2002年にR34が終了し、後継のV35へと切り変わったタイミングでは、直6をやめてV6となったり、丸目4灯をやめたり、スタイリングもR34時代のような背の低いセダンから背高のオジサンセダンになったりしたことで、スカイラインらしさが失われたと、メディアやユーザーから盛大な批判を受けました。
それまでのR32~R34スカイラインに憧れていたファンにとっては、V35で行われたスカイラインの変化は、受け入れられなかったのでしょう。
今回登場した「スカイラインNISMO」は、現行V37スカイライン400Rがベースモデルですが、この「400R」とは、1996年ごろにNISMOが開発した、R33スカイラインGT-Rをベースとした幻のコンプリートカーに付けられた名称です。
最高出力400ps、価格は1200万円でした。いまでこそ1000万円超のスポーツカーはごろごろいますが、当時では考えられないような高額車。V37スカイライン400Rも、NISMOが仕上げた特別なスポーツセダンではありますが、特別なモデルの名称を、簡単に使った(ようにみえる)ことに、当時からのファンが残念に感じるのは、無理はないのかもしれません。