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LIFESTYLE 女たちの事件簿

「こんな簡単に落ちるとか、いいカモだな…」DV男の歌舞伎町ホストに沼った、人気風俗嬢の「人ごとではない末路」

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エミさんの気に障っていたのは、タクトさん目当てに来る他の女性客の存在だ。

「ホストクラブがズルいのは、タクトが担当する客同士をすぐ近くの席に座らせて、ライバル心を煽るところ。タクトは常にトップ5に入る人気ホストなんです。

私の真正面に座った女性客が高級なボトルをおろすと、タクトは乾杯をするため、一度その席に戻らなくてはならなくて……。

さっきまで私の腰を抱いて隣で笑っていたタクトが、他の女の肩に手を回してはしゃいでいる姿を目の当たりにすると、ムカついて邪魔してやりたくなりましたね」

エミさんは酔いも手伝って、さらに高い酒をおろしたという。

「向こうがコルドンブルー(10万)をおろしたら、私はこれ見よがしにカミュ・ブック(40万)で対抗して、タクトに戻ってきてもらいました。ドンペリも、あちらがロゼ(15万)なら、私はゴールド(40万)にして……。

金銭感覚がマヒしちゃうんですが、負けるわけにはいかないって意地になっていましたね」

ボトル代に加え、セット料金、消費税とサービス料を合わせた35%が上乗せされ、その日の会計は150万を越えた。

「タクトはすごく喜んでくれて、閉店後のアフターで軽く呑んだ後、私の自宅マンションに来てくれました。

出会いが風俗店だったので『今日はプライベートで♥』と枕を交わしましたよ。誰にも取られたくなかったし、彼の一番でいたかったから」

以来、エミさんは収入を得るため、吉原以外にも稼ぎ場所を探した。

「通常の風俗に加えて、デリヘルやパパ活、ギャラ飲みも始めたんです。パパ活はSNSで『#p活都内』『#p活初心者』と呼びかけたら、誰かしら応じてくれましたね」

明るく告げるエミさんだが、恋愛依存症ゆえ、不安は常に付きまとった。

「先ほども言いましたが、目障りなのはタクト目当てのライバル客が絶えなかったことです。彼の売り上げアップを願っていても、他の女と楽し気に話している彼を見ると、嫉妬にかられて……。

『今後はもっと店に通うから、一緒に住まない?』と持ちかけたんです。そしたらタクトが『じゃあエミの家に行ってもいい?』と言うので、即OKしました」

同棲生活は最初こそ幸せだったものの、タクトさんは、徐々に本性を現してきた。

「彼は常にトップ5に入る人気ホストですが、客の売掛金が滞ると、彼自身の借金になります。

ある日、常連客とのアフターで泥酔して朝帰りした彼は、売掛金の未回収の愚痴を吐き出したばかりか私に当たり散らしたんです。

私も朝まで寂しかった苛立ちもあって、ひどい口論になりました。

口論の合間にはタバコを吸いだして、『タバコなんて吸わないで真面目に話を聞いて!』と言ったのですが、『つべこべ言うな!』と怒鳴っておわり……。

しかも、客の女と寝てきたことも発覚し、私は逆上しました。

泣き叫ぶ私の髪を掴んだ彼は『黙れ!』と一喝し、力任せに私を床に押し倒したんです。

背中に馬乗りになられた次の瞬間、うなじに激痛が走りました。絶叫する私のうなじにタバコの火を押し当てられたと分かったのは数秒後です」

エミさんは手で後ろ髪をあげ、うなじに残る無残なケロイドを見せてくれた。

「酔いが醒めると、彼も我に返ったのか『ごめん……』と謝ってくれましたが、それをきっかけに彼のDVが始まりました。

暴力を振るわれた後は必ず私を抱きしめて、『ごめんな……。本音を吐き出せるのはエミしかいなくて』と言われると、嫌いになんかなれません。

むしろ必要とされている喜びのほうが勝って、結局はタクトにのめり込んでしまって……」

ホストの沼にハマってしまったエミさん。その後どうなったのか。後編でお伝えしたい。

取材 / 文 蒼井凜花

▶︎後編に続く


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