■自分でイジれる楽しみがあった
昭和のクルマは、エンジンがキャブレター式の場合は、寒い日や湿度によってエンジンがかかりにくくなったり、調整が必要だったりと苦労しました。運転に関しても、ハンドル操作やクラッチ操作が重く、慣れやコツのいるものでした。
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1966年(昭和41年)に発売のダットサン サニー。直線基調の軽快なスタイリングとゆとりのある走りで幅広いユーザー層を獲得。昭和のクルマは量販モデルでも味わい深いものがある
しかしこの苦労も含め、ハンドルに伝わるダイレクトな感覚やキャブレターの吸気音、排ガスの匂いなど、五感を刺激する要素が多分にあったように感じます。自分でメンテナンスしながらかわいがり、クルマを操作しているという感覚が強かったわけです。まさに「愛車」という表現がぴったりなのも、この時代だったからでしょうね。
現在のクルマは本当に快適で安全ではありますが、高揚感という意味では、昭和のクルマのほうが楽しかったように思えます。電動化や自動運転技術の進歩など、自動車を取り巻く環境はさらに変化していく時代に突入していますが、今後も、昭和のクルマのようなワクワク感を持てるクルマが登場して欲しいと感じます。
Text:Tachibana Kazunori,MMM-Production
Photo:NISSAN、TOYOTA、DAIHATSU
Edit:Takashi Ogiyama
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