「その頃には、すでに5万円くらいの額を情報商材に費やしていました。合算してみて驚きました。1つ1つの単価は安いのに、塵も積もれば山となるとはこのことですよね。子供を育てていく資金が足りないと始めたはずだったのに、完全に赤字です。本当に情けない気持ちになりました」。
ここまでのめり込んでいたのに、なぜ急に冷静になることができたのだろう。
「子どもの変化ですかね。上の子の情緒が不安定で園でお友達を叩くようなことが続いたんです。保育園で先生に最近何か変化はありましたか?と聞かれてハッとしました。子どもと全然話をしていないことに気がついたんです。帰宅後もとにかく早く朝ごはんを食べさせて、その後はずーっと動画を見せていました。下の子をあやすときもいつも片手に携帯を持っていました。恥ずかしいです、本当に」。
涼子さんは後ろ髪引かれる思いもあったが、すっぱりX運用を辞めた。
「界隈では3ヶ月くらいで消えていく人が多いってささやかれていましたが、まさに私がそうでした。疲れてしまったんです。見えないものと戦うことに。ただこれで諦めたわけではありません。今も副業を探しています。だってこのままの暮らしじゃ、老後の資金を貯めることはできませんから」。
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