「お義父さんなんて、30代のときは仕事で全然帰ってこなかったから……。休みの日は疲れて寝ているし。基本私と、私の母（夫の祖母）と家事育児してたの。私たちの時代は今みたいな育休もなくて、産後３ヵ月から仕事へ行ってたのよ。
授乳期間中だからトイレで母乳を絞っていたこともあったわね。女の人が家庭を支えてこそだから、美穂さんも頑張ってね」
仕事人間だった義父は家事・育児に携わっていなかった。家事育児を義母に任せきりだった義父は洗濯機を回すことすらできない。夫は幼い頃、義母が仕事に出ている間は祖父母と一緒に過ごしていたという。
「私の実家は遠いので、育児の相談は家庭的な義母に教えてもらおうと思っていたけど、参考になりませんでした。家事育児はすべてやってきたという割には、月齢によってどんな動きをするのか知らないようだし、離乳食もあげられないので頼るのを一切やめました」
その後、美穂さんは第二子を妊娠。産後しばらくは夫に育休を取ってもらうことにした。
しかし、義父からは「男の育休なんて、自殺行為だろ。昇給は大丈夫なのか！ 子育てなんて簡単だろう」と猛バッシングを受けた。
義母も「子どもなんて勝手に育つんだから、男がわざわざ休まないでいいんじゃないの。美穂さんだって、ダンナが日中家にいると嫌よね？」と言ってくる始末だった。
「今は育休がとりやすくなっているし夫が休んでくれないと家庭が回らないので……。義母には、『二人目を授かったら夫にも育休をとってもらうようにと決めていたんです』と言いました。でも、『美穂さんは少し要領が悪いんじゃない？適当でいいのよ～！』と返されてしまって。正直言って、カチンときました。
義母は祖父母の助けがあったから、そう簡単に言えるんだと思います。義父は家事ができないけど、夫は率先してやってくれるので家にいるだけでとても助かりますよ。男は仕事、女は家に入れってよく言うけど、共働きなのに父親にも育児してもらわないと無理ですよね」
夫の育休取得に反対する義両親。
取材/文 錦城 和佳
