断捨離などを目的として衣類の整理をしたい時、不要になったものを売る人もいれば知り合いに譲るという人もいる。
環境への配慮や生き方の見直しにも無関係ではない断捨離。しかし、衣類を処分する際、他者への譲渡には十分な配慮が必要といえよう。
例えば「まだ着られる」「品質や趣味が良い」という判断はあくまで個人の価値観によるものであり、場合によっては不快な押しつけとなることも考えられるからだ。
危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏もこう注意を呼びかける。
「最近では、アパレル業者の大量生産、大量廃棄が環境に与える影響が、社会的な問題になっています。
そんな背景もあってか、メルカリなど個人間での物品のやりとりがサステイナブルの見地からも増えています。ただ一方で、私人間ならではのトラブルも増えているのです」
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今回お話を伺ったのは、首都圏に親子4人で暮らす竹田真理奈さん(仮名)。
20代の頃はウォークインクローゼットに収まりきらないほどの洋服を常時所有していたという。
しかし、結婚して子どもを産み、自分の荷物の置き場に困って衣類を処分していくうちにミニマリスト的思考が快適になってきたという30代半ばの会社員だ。
「洋服が好きなだけに、本当に必要なものを見極めたいと思うようになったんです。子どもたちの親として、環境問題も気になっていますので」
前にニュースで見た洋服の廃棄量の多さにショックを受けた真理奈さんは、衣類の購入や管理について真剣に考えるようになった。
「お出かけ着の購入はシーズンに一着か、多くて二着くらい。これは買う楽しみも大事ということで、我慢し過ぎないようにはしています。普段着は機能性が高いことで有名なプチプラアパレルで定番ものを買い足したりして、一定数以上に服が増えないように徹底しています。
それから、環境問題にしっかり取り組んでいるブランドを選んだり……着眼点も変わりました」
定期的なクローゼットの見直しをし、着られなくなったもの、着なくなったものはリサイクルや寄付に回しているという真理奈さん。