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LIFESTYLE 女たちの事件簿

四谷大塚は氷山の一角だった…「子供を狙う大人たち」被害体験を持つ母が語る「グルーミングの実態」

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不倫や浮気、DVにプチ風俗……。妻として、母として、ひとりの女性として社会生活を営み、穏やかに微笑んでいる彼女たちが密かに抱えている秘密とは? 夫やパートナーはもちろん、ごく近しい知人のみしか知らない、女たちの「裏の顔」をリサーチ。ほら、いまあなたの隣にいる女性も、もしかしたら……。

大手中学受験塾「四谷大塚」での強制わいせつ事件でさらなる逮捕者が出たとの続報があったばかりであるほか、練馬区立中学校校長が少女のわいせつな画像を所持していたうえ、以前勤務していた中学校で女子生徒を抵抗できない状態にさせて性的暴行を加えたとして逮捕・再逮捕された事件も波紋を呼んでいる。

 

子どもが犠牲となった性犯罪が連日のように報道され、怒りと恐怖に体を震わせている保護者もさぞかし多いに違いない。

 

危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏は、子どもを性犯罪から守ることの重要性と課題について次のように語った。

 

「今回の痛ましい事件で犠牲となったのは女子小中学生。性別を問わず、子どもが犠牲となる性犯罪は増加する一方ですし、対象はどんどん低年齢化している印象です。

 

この状況を何とかするためには、学校・教育施設内での監視カメラ導入や、登下校におけるスクールバス導入といった新たな方策の検討も必要な時期に差しかかっているのではないでしょうか」

 

 


 

 

今回の痛ましい事件が報道されるずっと以前より、子どもたちを性犯罪から守るためにスクールバスを導入してほしいと訴えかけてきたのは中学2年生の娘を持つ原武雅美さん(仮名)。娘が通う中学や居住する自治体の教育委員会などにスクールバスの導入を何度も呼びかけてきたという。

 

「うちの娘の通学エリアでは、過去に数えきれないほど不審者情報が出ています。市や学校から注意喚起メールが届くのですが、あまりに数が多くて、保護者のみんなも『ああ、またか』みたいな感じで慣れっこになっているのが現状です」

 

先日町内会があった際、何度目かでスクールバス導入をお願いする署名活動に参加してほしいと呼びかけたが、「現実的じゃない」などと言われて瞬殺されたそうだ。

 

「公立の小中学校は、学校から目と鼻の先に家がある子もいれば、歩いて30分かかる子や特別に自転車通学が認められている子など、登校条件がまちまちです。

 

平等性とか費用とか、下校時間がバラバラな点はどうするのかとか課題が多過ぎる、そんなもん無理だ、そもそも子供を甘やかすな、と町内の方たちは耳を貸そうともしてくれませんでした」

 

我が国では何かあってから初めて行政や警察が動く、という印象を強く抱いている雅美さん。

 

「うちの娘は現在中2ですが、私は人通りの多いところまで15分ほど毎朝通学路を歩いてついていきますし、帰りもそこまで迎えに出ます」

 

雅美さんの娘が小6の頃、通学路に「写真撮っていい?」と女子生徒に声をかける男の情報が共有され、その時は大きな騒ぎになった。

 

「私の知り合いの娘さんは実際にシャッターを切られたそうです。そのお母さんもしばらくの間は血相変えてましたが、今はへっちゃら。私が話をしても『何事もなかったから、ひとまずは良かったじゃない?』でおしまいです」

 

雅美さんは、市・学校・町内などから届く不審者情報メールを記録している。

 

「もちろん性犯罪に繋がりそうな不審者だけの情報ではないですが、毎日のように心配な情報が入ってきます。内容も、後をつけてくる、下半身の露出、車や自転車に乗ったまま声をかけてくる、などです。情報をくれても、その場にいなければ結局何もしてやれないというような恐ろしいものばかりです」

 

雅美さんはたった1人でスクールバス導入やせめて親の送迎を認めてほしいといった意見を言い続けている。周囲のママ友などは「心配し過ぎ」「それではいつまでたっても子供が自立できない」といった批判をされる場面もあり、その度に疑問と危機感を抱かざるを得ない。

 

「皆さん、怖いのは同じだと思うんです。でも、うちの子に限ってそんな目に遭わないとどこかで思い込んでいるんだとも思う。ただ、ここまで人間の質が落ちて性犯罪が凶悪化しているなかで、何があってもおかしくない状況だと私は毎日危機感の塊になっているんです」

 

雅美さんが娘の身を心配し過ぎてしまうのは、実は自身が小学生の時に遭った性被害とも関係がある。

 

「これ、話の内容をライトにして話したことは何度もあるんですが、事実は誰にも言っていない話なんです。あと腐れのない方にしか話せません」

 

雅美さんが小学3年生の下校時、事件は起きた。

 

後編】へ続く

 

*この記事は取材に基づいておりますが、取材対象者のプライバシー保護の観点から、内容を編集している点にご理解ください。

 

取材/文 中小林亜紀



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