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【教育格差の大問題】「したいことも、したくないことも全くない…」イマドキ底辺高校で教師が見た「寒くなる日本の未来」

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「親ガチャ」という言葉が流行り、教育格差が社会問題化していく中で、教員は格差を実感しながらも職務を全うしている。

「仕方ないことなんだろう、子どものせいではないんだろうと思う反面、その状況を何とかして脱しようとか、なんとかしてそんな苦境を変えて見せようとかいう気概を見せない子どもに失望してしまう。そんな思いもあります」

そうため息をつくのは、雅美さん(仮名・32歳)。

彼女は東北地方にある、いわゆる「底辺校」に4月から勤務し始めた。それまでに勤めてきた学校との違いや、自分の持っていた「底辺校」のイメージとリアルとのギャップに思い悩む日々を送っているという。

「底辺校」は、「入学に必要な学力が,一般的水準に比べて著しく低い学校の総称だ。「教育困難校」を指すが、近年は、学力だけでなく家庭の事情が理由で、底辺校とよばれる高校に入学してくる生徒も多いのだという。

そして、その家庭の事情のことを「教育格差」と呼ぶのだ。

「教育格差」というのは、「子ども本人に変更できない初期条件である出身家庭の社会経済的地位(Socio-economic Status)といった「生まれ」によって学力や最終学歴などの教育成果に差がある傾向のことだ。

中島敦の小説『山月記』の中に「理由も分からずに押しつけられたものをおとなしく受け取って、理由も分からずに生きてゆくのがわれわれ生き物のさだめだ」という言葉がある。その「理由も分からずに押しつけられたもの」が「教育格差」であり「親ガチャ」だということだろう。

「社会経済的地位」というのは社会的、経済的、文化的な特徴を含めた概念だ。多くの社会科学研究では、親の職業、世帯収入、両親の学歴や文化的行為などを統合した指標を使って分析を行っている。
また、格差の中には世帯収入も含まれ、それが一定の水準に達していない状態を「貧困」と呼ぶ。相対的な貧困家庭出身者であると、非貧困家庭出身者と比べて学力や進学などの教育達成は低位にとどまるという調査結果もある。

SDGsの1つに「質の高い教育をみんなに」があり、そこでは「教育によって貧困の連鎖を断ち切り、不平等を是正する」という思いが含まれているようだが、かつての日本に比べ、格差は拡大し続けていく一方のように見える。

学校が、格差の中の下部に位置する子どもたちに、できることはあるのだろうか。現場の教員たちは、どんなことを思って日々の教育に励んでいるのだろうか。



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