■強烈なインパクトで登場したシーケンシャル
シーケンシャルウインカーは、ウインカー内に並べられたLEDを、内側から外側(もしくはその逆)へ連続的に点灯させて、同時にすべてを消灯するウインカーのこと。正式には「連鎖点灯式方向指示器」とよばれますが、端から端まで光が流れるように点灯することから、「流れるウインカー」とよばれ、LEDの普及と同時に広がりました。
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LEDのシーケンシャルウインカーをいち早く採用したのはアウディです。2009年に登場したアウディA8でシーケンシャルウインカーを採用し、その巨漢ボディに流れるウインカーによって、当時強烈なインパクトを与えました。その後、2010年代には欧州系のメーカーで普及し、日本車メーカーでも採用が始まっていきました。
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国産車で早くから採用したのは、レクサスとトヨタです。レクサスではLX、RX、LS、ES、NXと次々に採用。トヨタ系では、2016年登場のC-HRが採用第一号となりました。その後、ハリアーやアル/ヴェルなど、ラグジュアリー系の乗用車に採用が広がっていき、ホンダも最量販車種のN-BOXカスタムへ採用したほか、ダイハツもタントカスタムへ採用するなど、一部の軽自動車にも広がっていきました。
■新型アル/ヴェルで継続採用となったのは「似合う」から?
しかしながら、2020年頃をピークに、シーケンシャルウインカーを採用するクルマは増えなくなり、前述もしたように、レクサスは、NX、RX、そしてLXのモデル更新で廃止。2023年8月時点において、レクサス車でシーケンシャルウインカーを残しているのはLSのみです。
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シーケンシャルウインカーについて、SNSでは、「当初はカッコいいと思ったけど、いま見るとダサい」「ウインカーの主張が激しすぎるからヤダ」「幅が狭いウインカーでLEDを流すのは最もダサい」「後付け感があってカッコ悪い」などの声があります。カッコいいカッコ悪いは好みの問題なのでなんともいえませんが、価格が安い軽自動車にまでシーケンシャルウインカーが採用されたことで、希少性と高級感のイメージが下がり、シーケンシャルウインカーの魅力がスポイルされてしまった、というのが大きな理由でしょう。
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こうした流れにもかかわらず、新型アルファード/ヴェルファイアでは、シーケンシャルウインカーが継続採用されたのは、アルファード/ヴェルファイアのユーザーからは根強い支持があるからだと思われます。アルファード/ヴェルファイアクラスのラージミニバンだと、エクステリアデザインに迫力があることから、主張の強いシーケンシャルウインカーと絶妙にマッチしており、継続採用されたのもうなずけます。
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これが小型車だと、シーケンシャルウインカーの主張が勝ってしまい、ダサく見える要因にもなるのかもしれません。アルファード/ヴェルファイアのようなラグジュアリー感の高いモデルでは、シーケンシャルウインカーは今後も残っていくのかもしれませんね。