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【後編】【教育の敗北?】蔓延する「読書感想文ビジネス」の闇。AI技術発展の裏側にある学校教員の苦悩とは。

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「私は、読書感想文廃止に反対です。ただ、もっと『読書感想文』の前に教育が必要だとは考えています。昔から、『読書感想文』って、夏休みに突然宿題として目の前に現れて、取り組み方も何にもわからなくてどうしよう……みたいなものではありませんでしたか?」

そう言って穏やかに笑うのは、さとみさん(仮名)42歳だ。
彼女は、独自に読書感想文のための授業を展開している。

「図書室に連れて行って、本を選ぶところから授業をします。そして、なぜその1冊を選んだのかということをまずは書いてもらいます。文字数の指定はしません。思うように、思ったことを書いていいということにすると、みんななにかは書きます。

『色がきれいな本だったから』とか『何も思いつかなかったから』とかそういうのでもいい。とにかく何かは書きます。それが5月くらいですかね」

さとみさんの読書感想文のための授業は、綿密に計画だてられた試みだそうだ。

「6月に、どれくらい読んだのかという授業をします。全然読んでいない生徒には、『なぜ読んでいないのか』を書いてもらう。そうすると、言い訳がましいものがたくさん出てきますが、学校や両親への不満をぶちまけ始めて、そのせいで読めなかった……みたいなことを1000文字くらいまで平気で書く子もいます。

読んでいる子は、読んだところまでの説明や、その部分までの感想を書いてもらう。意外と、その読んだ子たちの方が筆が進まないことがあって笑ってしまいますけど、でもまあ、なにかは書きます」

さとみさんは、どうやらこの読書感想文のための授業を楽しんでいるようで、ところどころコロコロと鈴の音のような笑い声をあげながら話す。



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