■「オフロードにも強い、三菱らしい自慢の足になった」と自信満々
筆者が乗ったのは、デリカミニのターボ付4WDだ。試乗のスタート地点がキャンプ場ということもあり、砂利道やアスファルト舗装が割れた道など、荒れた路面を走ったが、タイヤが路面の突起を上手く抱え込み、衝撃をいなしてくれる。またショックアブソーバーがいい仕事をしているようで、ボディが大きめに揺さぶられても怖さや嫌な感じはなく、「よく動く足」という印象だ。
大きな起伏がある道を走ると、ボディはロールやピッチ方向に「グラッ」と大き目のモーションを起こす。きれいに舗装された道も車速を上げ下げしながら試乗したが、強くブレーキを踏むとピッチは大きめに出る乗り味だ。このあえて動かす方向にセッティングされているようすは、潤沢なサスストロークによって揺れ感が強めなデリカD:5のフィーリングに近いと感じた。
設計および実験を担当した、三菱自動車 車両技術開発本部 操安・乗心地技術開発主任の河出光晴氏によると、「デリカミニで出来ることは全てやり切りました。その結果、オフロードにも強い、三菱らしい自慢の足になりました」とのこと。また、「クルマがどういった状況にあるか、インフォメーションがよく伝わるよう、(D:5に似た乗り味は)あえて狙っています」とのことだ。ちなみにこの河出氏、デリカD:5開発も担当されており、「デリカの足のよさ」を熟知したエンジニアだ。
■少々値は張るが、それなりの価値は十分にある!!
デリカミニは、見た目だけではない、骨太の中身も備えた、いま大注目の軽スーパーハイトワゴンだ。価格は、ノンターボ車が2WDで180~198万円、4WDで201~214万円、ターボ車は、2WDが188~207万円、4WDが209~223万円だ。訴求グレードのターボ4WDだと、本体だけで200万円オーバーを覚悟することになるが、多くのお客様が4WDを選んでいることを考えると、このクルマはやはり、軽4WDを選ぶのが正解だ。
ちなみに、テレビCMでお馴染みのキャラクタ「デリ丸。」は、6月中旬時点では、世界でたったひとつ(一匹)だそう。実物は50センチほど、体重は2キロほどで、グリーンのフサフサした毛が生えた小型犬くらいのサイズだが、三菱の広報さんによると、「犬」ではなく、「デリカミニの化身」だそう。今後は増産(?)されるとのことで、全国のディーラーなどでみられることになるだろう。グッズ展開も計画中とのことで、この「デリ丸。」の今後も非常に楽しみなところ。
Text:Kenichi Yoshikawa
Photo:MITSUBISHI
Edit:Takashi Ogiyama