しかしこれには落とし穴もあった。
永野さんは気に入った女性を自分の時間帯においてシフトを構成していたが、その分あまり質の良くないスタッフが別の時間帯に固まる事になった。
結果、自分の時間帯はお客さんからの評判もよく、仕事のできるメンバーで構成されたが、別の時間帯はサボりや接客態度が悪い所が目立ってしまった。
お客さんからのクレームやミスが多発し、その対応にも追われる事になってしまったのだ。
「ある時間帯にはやる気のない従業員やお年寄りばかりで固まってしまいました。チームワークは皆無で忙しい時間帯の対応もグダグダ。あまりに堕落してしまい、一緒に働いていた学生は辞める人が続出。しまいには店の商品を万引きして逮捕者まで出てしまう始末です」
オーナーも注意はするんですが、過去に起こした女性問題は従業員の中でも話題になっていました。
だから自分のことを棚に上げて言いたくても言えない。結局沈黙したままその場を見守るしかなくなったんです。
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