【後編】「トイレ燃えてるよ！」夏祭りの夜に起きたコンビニ放火事件。犯人の意外な動機とは？

警察が話を聞いたところ、祭りの後でテンションが上った２人はつい悪ふざけに発展してしまった。話題になったSNSの過激な動画に影響されて、自分たちもなにかやりたくなったのだという。
それにしても大事には至らなかったものの、放火はさすがにやりすぎだろう。

「話を聞くと犯人の高校生の両親は離婚していて、親子関係もあまりうまく行っていなかったみたいです。今回の事件は確かに許せないですが、その高校生の境遇もちょっとかわいそうだなと思ってしまいました。離婚している家庭は多いですが、それが子供たちにまで影響が出て、こういう形でお店に影響が出てしまうのは考えものですよね」

現在はトイレはきれいに改装され、店は普段どおりに営業しているようだ。コンビニ自体はやや古さが見られるが、トイレだけは新品できれいな作りになっているのが目立っていた。

「こういった事件に関しては、再発防止のしようがありません。従業員が怪しいお客さんはしっかりチェックして、見張っていくしか無いと思います。店内の防犯カメラも古くなっていたので、最近また新しくなりました。カメラの数は大幅に増え、店内から店外まで幅広く見れるようになっていますよ。さすがにトイレまではカメラは付いてませんけど……」

若者のエネルギーは世の中にとって重要なものだが、時に悪い方向に行ってしまうこともある。家庭の事情が複雑になる中、これを完全に防ぐ方法を見つけるのは難しいだろう。

TEXT：鮫島佑樹