万引きによる検挙人数はピークの時は年間10万人以上もいたそうだ。だが最近では往時の半分ほどに減ってきているという。その主な現場の一つとなっているのが、「社会を映す鑑」と呼ばれる、コンビニだ。コンビニを舞台に取材をしているライターが、当事者の話を聞いてレポートする。
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今回は、東海地方にあるコンビニで起きた万引き事件について、店長である吉田真由美さん（仮名・40歳）に話を聞くことができた。
「事件が起きたのは夜10時頃でした。『さっきの人、ライター取っていったかもしれない』大学生の女子バイトが震える声でこう話していたんです。防犯カメラをチェックすると、20歳くらいの若者が確かにライターをポケットに入れているのが写っていました」
コンビニのレジのカウンターにはタバコ用のターボライターが置かれていた。その若者は女子バイトがレジをしているすきに、そっとポケットに入れていたのだと言う。
レジ前という目立つ場所で、まるでスリルを楽しむかのように犯行に及んでいたが、女子バイトはまだ新人だったため、怖くて注意できなかったそうだ。
「女の子から連絡を受けて、すぐにカメラの映像を記録して警察に連絡しました。コンビニは万引きして店を出ても、ブザーなどが鳴るなどの仕組みはありません。なので店員が気づかない限り分からないですね。その代わり防犯カメラはびっしりとあって、店内や店の外などいたるところが見えるようになっています。
©Getty Imagesあとは万引きする人はかなり挙動不審になるので、店員から見ると結構分かるんですよ。少し前には中学生がお菓子を万引きしたことがあります。その子は男性の副店長が取り押さえ、警察と学校に連絡しました」
吉田さんの話によると、店内で不審な動きをしている人はわりと分かるらしい。
以前にはスマートフォンのカメラを靴に忍ばせ、若い女性のスカートの中を盗撮している50代のおじさんもいた。
明らかに不審とわかる行動だったので、店員同士で盗撮だと気づき、すぐに警察に連絡したそうだ。
