また、彼女の発言をよく聞いていると、必ず会話の中で自分や自分の子どもが優位に立つような構図を作るのだそうだ。
発言の中に相手へのディスりをしばしば入れてくることは、フレネミーの特徴の一つとされる。
「『梨華さんの子は芸術家肌って感じよね。何が描かれているのかわからないように絵を描くなんて、なかなかできないこと。うちの子なんか、こんなに描写力があるなんて保育園児らしくないって先生が言うの。本格的に絵を習わせたらどうですかなんて、お世辞かイジりよね』という具合。大体こんな調子で会話が進みます」
梨華の由美佳に対するモヤモヤは徐々に強まったが、怒って抗議するほどの大きな事件もなかったため、その程度のことで付き合いをやめたいと考える自分の器が小さいのだと梨華は思った。
それはあたかもモラハラの心理。「相手の言動を悪意に取る自分に問題があるのかも」と思わせ、巧みに追い込むのだ。
Text:中小林亜紀
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