「電磁波の影響でアタマが痛い…」50代夫婦が抱え込んでいた「おぞましいほどの闇」

夫の敏史が、隣に座る妻に代わって切り出した。聞くところによると、妻の聡子が電磁波の影響を受けるようになったのは、２年ほど前からだという。

「具体的には、どのような時に、どんな症状が現れるのですか？」
私が聞くと、聡子が弱々しく話し始めた。

「頭が痛くなったり、吐き気がしたり。それから耳鳴りなんかもして、何もできなくなってしまうんです。」

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そこで、敏史が、唐突に口を挟む。

「色んな医者に診てもらったんですが、全く原因がわからなくて。妻がネットで調べて、どうやら電磁波の影響に違いないということになって。確かにね、うちの家の近くには昔から鉄塔があります。でも、２年前から突然なんですよ。そんなことってありますかね？」

「電磁波の影響が突然強くなるということがあり得るのかどうかは、今の時点では何とも言えませんが、２年前から急に影響が出始めたのですよね？ 何か、きっかけのようなものは思い当たりませんか？」

私の隣に座っていた上司が、聡子に問いかけた。

「その頃、主人の仕事の帰りが遅くなることが増えて、主人が家に帰ってくると頭痛や吐き気などの症状が強くなりました……。」

そう聡子が言い終わるか終わらないかのうちに、敏史が口を挟んだ。