ハンバーガーメニューボタン
FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine
LIFESTYLE 探偵は見た!

「オレを馬鹿にしてるんだろ!」とDVの限りを。コンプレックスにまみれた「成金実業家の深すぎる闇」

無料会員をしていただくと、
記事をクリップできます

新規会員登録

精神分析学者アルフレッド.アドラーは、自己の劣等感を補償しようと「権力への欲求」が働くことを「劣等感コンプレックス」と定義した。

「劣等感コンプレックス」は、個人の能力を引き出すモチベーションが生まれる要因にもなれば、逆に社会的に好ましくない行動をおこす要因にもなるという。 ナチスのヒトラーが良い例である。 「探偵」は、世間的に「成功者」として映る人物の内側に潜む「闇」と直面せざるをえない仕事だ。

・・・・・・・・・・・・・・・

「結婚してから今まで、虐げられるだけ、虐げられてきました」

60代前半の依頼者女性は、私たちに訴えるように言った。一見高級そうなものを身に着けているが、よく見ると、どれもかなり年季が入っている。依頼者の横には、歳は40位に見えるが、どこか幼児のような雰囲気の痩せた女性が、虚ろな眼差しで同席している。後に、その女性が依頼者の娘であると知った。

©Getty Images

依頼者の家は、家系図の先に歴史上の偉人が出てくるような名家らしい。そんな名家のご令嬢であった依頼者が大学生の時、1歳年下の在日中国人2世の夫と出会う。2人は強烈に惹かれ合い、半ば駆け落ち同然で結婚した。
結婚後、夫は、依頼者がこっそり母親から渡されていた数百万を元手にし、在日中国人間のネットワークを上手く利用して事業を立ち上げた。元々商才があったのか、今では日本と中国双方で手広く展開している。

結婚して間もなく娘が産まれた。その頃は生活がまだ厳しかったが、夫は依頼者が外で働くことを許さず、何とか築70年ほどのボロ家を借りて住んだ。事業が上手くいかないことへの焦りからか、夫は次第に依頼者が何を言っても腹を立てるようになり、毎日のように汚い言葉で罵倒した。それは妻本人に留まらず、妻の家族や親類に関する内容にまで及んだ。

「俺を馬鹿にしているんだろう⁈」

そんなつもりはないと、依頼者が幾ら訴えようが、夫はそう怒鳴っては暴れ、時には依頼者に暴力を振るった。そして結婚して5年が経つ頃には、夫は家に帰らなくなった。その原因は夫婦間の問題だけではなかった。

2人の間にできた一人娘に、知能障害があると判明した事が大きなきっかけでもあった。夫は娘の障害を受け入れられず、それ以来、まるで娘が居ないように振る舞った。家に居ても娘を無視するようになり、それがまた原因で夫婦は衝突を繰り返したという。

©Getty Images

「『本当は俺の娘じゃないんじゃないか?』そう言われた時は、頭が真っ白になりました。夫はおそらく、自分の娘が他の人間より劣っていると認める事が、どうしても出来なかったんだと思います」

現在、依頼者と娘は杉並区にある小さな一軒で暮らしている。20年近く続いたボロ家生活の末に、ようやく夫が建てたものだ。そのきっかけも、夫が中国人の知人から「妻や娘をボロ家に住まわせるのは、男としてみっともない」と助言されたからだという。夫がこの家に住んだことはない。
既に事業を成功させていた夫が、在日中国人で10歳年下の愛人のために、一足先に家を建てたことは、共通の知人を通して聞いていた。 愛人との間には20代後半になる息子がいるらしいが、詳しいことはわからないとのことだった。

依頼主が探偵事務所を訪ねてきたのは、そんな夫の不透明な私生活や権利関係を洗い出すためだという。

「せめて私と娘の為に財産くらいは残して欲しいんです」

☆次回では、現在の夫の血縁関係と財産のゆくえを詳細にレポートする☆

Text: 探偵こころたまき



RANKING

1
2
3
4
5
1
2
3
4
5